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【お酒】871.若竹 鬼ころし 特別本醸造 300ml [22.静岡県の酒]

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株式会社大村屋酒造場
静岡県島田市本通一丁目1番の8

アルコール分 17度以上18度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 60%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




今日は“鬼ころし”と銘打たれた静岡県島田市のお酒をいただきます。
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これは私の意見ですが、“鬼ころし”という名前を聞くと、どうも安酒を思い出してしまうんですよね。
コンビニで売っている、一合で100円くらいの紙パックに入った糖添三増酒のことですよ。
ですので、私はこの“鬼ころし”という名前には、あまりよい印象を抱いておりません。

では、“鬼ころし”とは、いったいどういう意味なのでしょうか。
以下のうち一部はかつて紹介しておりますが、ここで文献の記述を再び確認しておきましょう。

雑味の多い辛い酒の通称で、飲めば鬼でも酔いつぶれるような強い酒を意味する。例えば日本酒度+10以上で寡糖・多酸の、その時代の酒の味とかけ離れた強くあらい酒をいう。」(※1)

アルコールがよく出た酒。もろみの中の糖分(米のでんぷんが麹の糖化力でつくられる)がほとんど残らずアルコールになったもの。甘みもうまみもごく少なく、アルコール度数が高いので、酒豪の鬼も死ぬだろうというので、このような酒を「鬼殺し」と呼んだ。
 はじめは蔑称だったと思われるが、市販の日本酒の甘口化が行き過ぎ、辛口酒が求めれられたとき、商標としてクローズアップされた。(以下略)」(※2)

一方、大村屋酒造場さんのことを紹介した文献には、以下のような記述がありました。

「鬼ころし」「鬼ごろし」を銘の一部に入れている蔵は少なくない。県内にもいくつか例があるし、全国を見るとかなりの数に上る。鬼ごろしというのは、本来は、鬼をも殺すきつい酒、粗悪な酒ということだが、言葉があまり悪い印象を与えないのは、きりっとした酒、こくの深い酒、辛口の酒というような雰囲気を持った言葉として受け取られているからだと思う。(以下略)」(※3)


今日いただくこのお酒は、果たして鬼をも殺すきつい粗悪な酒なのでしょうか?
それとも、きりっとしたこくの深い辛口の酒なのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
特別本醸造ですし、特に冷やして飲めとの指示もないみたいですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ちょっと着いているのがわかりました。
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燗をつけると、酒臭い(←ほめ言葉です。)香りが漂ってまいりました。

うまみはやや濃いめです。
これね、かなり酒臭い(←あくまでもほめ言葉です。)ですよ。
それに、熟成感もほんのちょっとだけあるかもしれません。
それでいて、苦みや雑味はないですね。

酸味はかなりはっきりしています。
けっこうなレベルのピリピリ感がありますね。
すっぱさは、最初はそれほどでもないと思ったのですが、燗が冷めるにつれて感じるようになりました。
また、さわやかさもありますが、これはアルコールに由来するものかもしれません。

“鬼ころし”を名乗るだけあって、甘みはやっぱりひかえめです。
でもゼロではなくて、ほんのわずかに感じます。


醸し出された酒臭い(←くどいようですが、ほめ言葉です。)うまみにピリピリ感満載の、やや濃醇で旨辛口のおいしいお酒でした。
たしかに“辛口=甘くない”ですが、うまみがしっかりしているためか、ドライな感じはしませんね。
そのことよりも、酒臭さ(←何度も言うようですが、ほめ言葉です。)が豊かで、とても飲み応えがありました。
ピリピリ感はあるものの、それでいて苦みや雑味はないので、それほど飲みにくくはないと思います。

このお酒の“鬼ころし”という酒銘は、鬼をも殺すきつい粗悪な酒ではなく、きりっとしたこくの深い辛口の酒という意味なのだということがわかりました。
私は、“鬼ころし”という酒銘に対する印象を改めねばならないと思いました。


(※1)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.425(1997.10 灘酒研究会)
(※2)篠田次郎『日本酒ことば入門』p.108(2008.7 無明舎出版)
(※3高橋清隆『新・静岡県の地酒 名酒蔵めぐり』p.168-169(1996.7 静岡新聞社) )
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コメント 6

エクスプロイダー

「若竹」は、たまにデパ地下の酒売場で「おんな泣かせ」を見かけますが、「鬼ころし」は無いですな。
by エクスプロイダー (2016-05-08 21:00) 

skekhtehuacso

エクスプロイダーさん、「おんな泣かせ」は、上記(※3)の文献で聞き知ったのみで、それまでまったく知りませんでした。
安酒嗜好の私には無縁かもしれません。
by skekhtehuacso (2016-05-08 22:15) 

ロコときどきキナコ

日本酒の奥深さ、チャーミングなネーミングたちにも酔っぱらちゃいます(@_@。。。
by ロコときどきキナコ (2016-05-08 22:35) 

skekhtehuacso

これはこれはロコときどきキナコさん、こんな酒臭いブログにコメントいただきまして恐悦至極に存じます。

酒銘に注目なさるとはさすが芸術家でいらっしゃる。
確かに面白い名前のお酒はたくさんありますね。

その意味を探りながらお酒をいただくのも、また楽しいものでっせ。
by skekhtehuacso (2016-05-08 22:47) 

toshi

鬼ころしという銘柄の酒は、よく飲んでいますが
これは飲んだことがありません。
コメント、ありがとうございました。
by toshi (2016-05-09 02:26) 

skekhtehuacso

toshiさん、鬼ころしにもピンからキリまであるみたいですね。
明日は、キリのほうをいただいてみようと思います。
by skekhtehuacso (2016-05-09 23:08) 

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