So-net無料ブログ作成
46.鹿児島県の酒 ブログトップ

【お酒】1302.薩州正宗 純米酒 300ml [46.鹿児島県の酒]

5839.JPG5840.JPG5841.JPG

薩摩金山蔵株式会社
鹿児島県いちき串木野市野下13665

原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合/70%
アルコール分/15度
内容量/300ml
(以上、ラベルより転記)





14年前に発売された書籍では、「芋焼酎の本場である鹿児島県は、全国で唯一清酒製造場のない県となっていますが、以前は県の酒造研究所で清酒製造が行われていた時期もありました。焼酎のほか昔から造られているこの県特産の「地酒(じしゅ)」がありますが、これは熊本の「赤酒」同様に草木灰を加えた「灰持ち酒」の一種で、清酒とは全く異なる赤みを帯びた色合いの濃厚で甘い酒です。」(※1)と紹介されている鹿児島県。

なんでも、「明治中期頃までの鹿児島地方では焼酎と同じ程度に清酒も造られていた。ただし、鹿児島地方の気温や湿度の高さ、当時の醸造技術から推察して、その清酒はとても美味とは言えなかったであろう。」(※2)とのこと。
そのせいか、「鹿児島の地を訪れてまず驚くことは「さけ」とは焼酎のことだと知ることである。他の地域では「さけを下さい」とは清酒の注文にほかならない。鹿児島では居酒屋であれ酒屋であれ、焼酎が「さけ」であり、清酒が置いてあってもそれは特別な客のためとか、特別の銘柄の清酒販売を店の特色として使う場合に限られている。」(※2)と書かれているとおり、鹿児島には清酒を飲む文化自体がなくなってしまっていたそうです。


ところが、近年になって鹿児島での清酒造りが復活したのだとか。
それが今日いただくこのお酒です。
瓶の肩に掛けられていた札には、“薩摩で唯一の清酒”と書かれておりましたよ。
5842.JPG
どうやらこの蔵元さんは、芋焼酎“海童”を造る濵田酒造さんの傘下にあるみたいですね。
これはわたしの予想ですが、大手蔵たる濵田酒造さんの下で四季醸造と機械化とを導入することよって、上記(※2)の文献で指摘されていた鹿児島地方の気温や湿度の高さを克服なさったのでしょうか?


ところで、上記サイトで調べてみたところ、薩州正宗の銘で出されているレギュラー商品は、現時点では純米酒と純米吟醸酒との二種類のみのようですね(本日調べ)。
本醸造や普通酒の取り扱いがないということは、おそらく地元の一般家庭で晩酌として愛飲されるような状態にには、まだまだ至っていないのでしょう。
それとも、どこかの山口のナントカ祭のように、そのような状態に至ることを蔵元さんは最初から狙っていらっしゃらないのでしょうか?
登場してからまだ5年ほどのようですので、おそらく販売や普及の方法については試行錯誤のところが少なからずあるのかもしれませんね。


純米酒ですが、フルーティーとのことでしたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
5843.JPG5844.JPG

お酒の色は、少し着いていることがわかりましたよ。
5845.JPG


フルーティーな香りはありますね。
でも、しつこくなくて、ほんのりと感じる程度です。

うまみはやや濃いめです。
米のうまみがかなりしっかりしています。
吟醸酒のような苦みというかざらつきがありますが、かなり軽めです。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが強くはないものの、鋭さを少しだけ感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとしてはいるものの、厚みを少し感じます。


米のうまみが豊かで、香りや軽めの苦み、酸味、それに甘みがうまみを引き立てる、やや濃醇で旨口のおいしいお酒でした。
味の要素をいろいろと感じるものの、うまみ以外には奥ゆかしさを感じました。
そのためか、全ての味の要素がうまみを押し上げているようでした。
香りや味わいに角がなく、ちょうどよく調和していておりましたよ。

これ、けっこういけまっせ!
手造り感はないものの、大手蔵らしい緻密な設計の下に造られたバランスのよい味わいでした。
しっかりしているものの、スイスイといけてしまいましたよ。

ただね、あたしゃ願わくは、鹿児島県から清酒がいったん途絶えた以前のお酒の味ってのも、ぜひとも味わってみたいなと思いましたとさ。

(※1)松崎晴雄『日本酒のテキスト 2 産地の特徴と造り手たち』p.139(2003.11 同友館)
(※2)豊田謙二『南のくにの焼酎文化』p.58(2005.4 高城書房)
nice!(35)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
46.鹿児島県の酒 ブログトップ