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【お酒】1230.鷹正宗 上撰 トップテン カップ [40.福岡県の酒]

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鷹正宗株式会社
福岡県久留米市大善寺町黒田297

アルコール分 13.0度以上14.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




このお酒ですが、上撰の小印が付されてはいるものの、まことに残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。
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そういえばこの蔵元さん、かつて“寒梅”の商標権をめぐって本家本元から訴えられたことがあったはず。
その判例は公開情報ですから、ここで言及しても問題ないでしょう。

しかもお値段たったの100円(税込108円)と破格の安さでした。
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三増酒で、13-14度台で、しかも100円ですから、その味はだいたい予想がつきますね。
その“だいたい”を確認すべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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ああ、やっぱり。
うまみは淡めというか、薄めです。
添加された味わいのクドさを感じますが、薄いので気にはなりません。
ですが、苦みが少しはっきりしています。
キレはそれほどでもなく、クドさと苦みとがちょっと残ります。

酸味はひかえめです。
ほとんどわからない程度です。

甘みはややはっきりしています。
とろみをかすかに感じますが、これも薄いためか気にはなりません。


うすちょい苦やや甘口のお酒でした。
これは私の推測ですが、焼酎文化の影響が少なからず及んでいると思われる福岡県では、このような(焼酎の水割り/お湯割りのような)淡い味わいのお酒も受容されるのでしょうか?
私としては、物足りなく感じました。

【お酒】1229.純米吟醸 春夏秋雪越前 カップ [18.福井県の酒]

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株式会社越の磯
福井市大宮五丁目8番25号

原材料名 米・米麹
掛米・麹米 五百万石100%(福井県産)
精米歩合 55%
酵母 協会14号
アルコール分 15度以上16度未満
酸度 1.4~1.5
180ml
(以上、ラベルより転記)




今日は、福井県産の五百万石を100%使用して造られたという純米吟醸酒をいただきます。
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濾過は最低限しかしていないのだとか。
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純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、濾過を最低限しかしていないにもかかわらず、それほどはっきりしてはおりませんでした。
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吟醸香は少しあるみたいです。
フルーティな風味をちょっとだけ感じます。

うまみはやや淡めですが、淡いなりにしっかりしています。
米のうまみが、広がらずに舌をピンと鋭く突いてくるようです。
ほんのかすかですが、熟成感もあるみたいです。
また軽い苦みもかすかに感じます。
キレはよく、スッと引いていきます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。


シャープなうまみと酸味とを、かすかな軽い苦みが引き締める、やや淡麗で辛口のおいしいお酒でした。
甘みが少ないせいか、ややドライな口当たりに仕上がっておりました。
軽快でキレがよく、しかも酸味が効いていてさわやかです。
それでいて生酒のようなフレッシュな風味がないことから、食事と合わせやすいと思います。
でも、うまみは鋭いながらもちゃんと感じるので、決して物足りなさはありませんね。

夏の暑い日に、枝豆や冷奴なんかと一緒にキュッといただきたいと感じましたとさ。

みちのくひとりの酒集め [旅]

【おことわり】
この記事には、ブログ筆者の自己満足のために記述が冗長になっている箇所がございます。
っていうか、そもそもこのブログ自体が自己満足そのものじゃないか!
読者の皆様におかれましては、もしつまらないとお思いでしたら、当該箇所を飛ばしてお読みいただきたく存じます。
なおこのことは、当該箇所の直前で再度お知らせいたします。




今回は、まだ梅雨明けしていない7月の三連休に、JR東日本の“三連休東日本・函館パス”を利用して出かけてまいりました。
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★☆一日目(2017年7月15日(土))★☆

まずは東京駅から。
はやぶさ(こまちを併結)45号新青森行に乗車。
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終点の新青森駅で下車。
東京駅からたった3時間ちょっとで、青森市内に着いてしまうんですよ。
すごい時代が来たもんだなこりゃ。
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乗り換えの合間を利用して、新青森駅のエキナカ(改札外)にある“あおもり旬味館”へと立ち寄ります。
ちょうど2年ぶりのご無沙汰でした。
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そのあおもり旬味館では、これらをGET!
ねぶたカップは、どうやら桃川本醸造カップのラベルちがいのようでした。
亀吉は絶賛売出中でしたので、つられて買ってしまいました。
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時刻はまだ朝の9時半。
でもでもでも!
あおもり旬味館に来たからにはね、自動試飲機を是が非でも試さねばならぬのですよ。
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選んだのは、喜久泉の吟冠吟醸酒。
“田酒”でおなじみの西田酒造店さんが造った吟醸酒でした。
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これ、深いね!
酸味は控えめですっぱくなく、うまみの深みが豊かです。
しかも辛口でキリッとしていて、後味がさっぱりしておりました。

今こうして記事を書いていて気がついたのですが、今回の旅でどうしてこのお酒を入手しなかったのかと悔やまれるところです。
まあでも、これでまた青森へ行く楽しみができたわけですよ。
この趣味を長く続ける秘訣は“採り尽くさないこと”にこそあると心得ておりますものでね。


朝から新青森駅でほろよい気分になったところで、次の目的地へと向かいます。

当初の予定では、9:40発の青森行普通列車に乗るつもりでした。
しかしこの列車は、奥羽本線内で発生した人身事故の影響で40遅れとのこと。
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それ故、先に到着する9:58発の青森行に乗車します。
ま、余裕を持って行程を計画しているので、この程度のことは全く問題がありません。
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新青森駅から一駅だけ乗って、着いたのは青森駅。
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駅前にある“アウガ”。
地上階にあった商業スペースはもぬけの殻ですが、地下には市場があるのです。
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その市場の中にあった酒店で、これらをGET!
下北半島はむつ市の“関乃井”(右から2つ目)を見つけることができました。
陸奥男山はかつていただいておりますが、ちがうデザインのカップ(いちばん左)を見つけてしまいました。
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この酒店には2年前に一度来ております。
しかしその際に採り尽くさなかったおかげで、こうして再訪の楽しみを味わえたというわけですよ。

この後、青森の市街地を2時間ほど歩き回ったのですが、成果はゼロでした。
まあでも、こればかりは実際に歩き回ってみないとわからないことですから、しかたがありません。

途中、青函連絡船八甲田丸のお姿を拝みつつ、
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駅そば(冷やしとろろそば)を胃袋へ流し込んで、
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青森駅から特急つがる4号秋田行(12:42発)に乗って、奥羽本線を南下したのでした。
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青森駅からつがる4号に2時間弱乗って、着いたのは東能代駅。
ここから能代の市街地を目指して歩きながら、途中にあるスーパーを潰して行きます。
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能代市は、いまを時めくこのお方の地元でした。
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能代での成果はこちら。
楽泉(左)も喜久水(右)も能代の地酒ですが、まことに残念ながら双方とも糖添でした。
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これらは能代とは関係ないお酒。
潟上市の太平山(左)も大館の北鹿(右)もこれまでにいくつかいただいておりますが、初見のお酒に心惹かれてしまったので入手しました。
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能代に来た一番の理由は、ここまで来れば山本さんの白瀑(しらたき)に出会うかもしれないと思ったからでした。
ですがカップ酒には全く出会わず(そもそも存在するのかどうかわかりません)、“白瀑”や“山本”の酒銘を掲げた少量瓶には出会うことがかないませんでした。
しかし、山本合名会社が世に送りだしてくださったこの“白神のめぐみ”なる特別純米酒に出会うことができましたよ。
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でもこのお酒、秋田駅でも販売されていたんだよな。

東能代駅から2時間ちょっと歩いて、五能線の能代駅へとたどり着きました。
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本日の酒集めはこれでおしまい。
中心市街地にあった食堂で、お食事をいただきます。

まずはビール。
この日は暑かったので、より一層おいしく感じました。
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選んだのは、しょうが焼定食。
お肉がとても柔らかくてジューシー。
しかも味付けがちょうどよく、おいしくいただきました。
それになによりも私としては、付け合せのトマト(地の物だそうです)がものすごくまいうーでうれしいところでした。
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ということで、ここ能代をキャンプ地といたしましたとさ。




★☆二日目(2017年7月16日(日))★☆


あーあ、雨が降っていやがんの。
でもいいんですよ。
だって、今日の目的地は、雨が降ってこその場所なのですから。
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いくら雨が降ってこそでも、竜巻は来てほしくないな。
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能代駅からは、6:42発の五能線東能代行124Dに乗車。
キハ40の単行でした。
先日、電気式気動車への置き換えが発表されましたね。
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この東能代行は、ここ能代駅から1駅だけしか走らない、いわゆる“チョン行”でした。
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能代駅から一駅だけ乗って、終点の東能代駅で下車。
東能代駅からは、6:51発の快速秋田行3620Mに乗車。
昨日に引き続き、奥羽本線を南下します。
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東能代駅から50分ほど乗って、着いたのは秋田駅。
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駅舎の窓から外を眺めると、雨がどしゃぶりになっていやがんの!
でもいいんです。
あたしゃ秋田駅では、外に出るつもりはいっさいございませんから。
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リゾートしらかみは、大雨の影響で運休だとさ。
三連休の中日なんだからさ、多くの人が楽しみにしていただろうに、残念だね。
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洪水警報まで出てやがんの!
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あたしゃ秋田駅の建物から一歩も外へ出ることなく、酒集めを開始いたします。
まずは、駅の売店でこれらを入手。
こちら久々の天の戸純米酒カップ(左)は、再飲のために入手しました。
髙清水の上撰(右)もかつていただいておりますが、紙カップのものを見つけて入手しました。
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秋田駅のエキナカ(改札外)“トピコ”は、朝8時に開店します。
開店と同時に乗り込んで、これらを入手いたしました。
太平山(左)は、本醸造のにごり酒でした。
まんさくの花特別純米酒カップは既出ですが、ラベルが紙から直接印刷へと変わっておりました。
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秋田駅での酒集めはこれでおしまい。
so-netブロガーのやまびこ3様が、「朝8時から飲める」と紹介なさっていた“あきたくらす”へ。
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朝の8時から飲めるなんて、そんな非常識なことがあり得るわけがありませんよね。
でも、やまびこ3様がまさかウソをおっしゃっているとも思い難いところです。

これはきっと、本当に朝8時から飲めるのかどうかを自分で確かめてみる必要があるということでしょう!

本当に朝の8時から飲めました。
でも、お客は私一人だけ。
ゆったりとした気分で、天の戸の“Land of Water”なる純米吟醸生酒をいただきましたよ。
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フレッシュさがありますが、しつこくはありません。
軽い酸味もさわやかさを出すのにちょうどいい感じです。
また甘くないので、キリッとしています。
スイスイといけてしまう、まことにもって危険なお酒でした。


ほろ酔い気分になったところで、いよいよ本日の、いや今回の旅で最も楽しみにしている場所へと向かいます。
秋田駅からは、特急いなほ8号新潟行(9:15発)に乗車。
羽越本線を南下していきます。
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目的地が近づいてまいりましたよ!
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秋田駅から1時間弱乗って、着いたのは象潟(きさかた)駅。
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雨は降っておりましたが、小雨でした。

象潟駅から20分ちょっと歩いて、着いたのは道の駅象潟。
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まずは酒集め。
飛良泉の普通酒カップは既出ですが、再飲のために入手しました。
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飛良泉を買っちゃったら、そりゃ同じく鳥海山の恵みたる天壽由利正宗とも入手しなけりゃいけません罠(いずれも再飲のためです)。
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鳥海山の山バッジも買っちゃったりなんかしちゃったりして。
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【おことわり】
ここからしばらくの間は、ブログ筆者の自己満足のために記述が冗長になっております。
読者の皆様におかれましては、もしつまらないとお思いでしたら、《ここまでに引用した文献の出典》の箇所まで飛ばしてお読みいただきたく存じます。
ここまでだって冗長じゃないか!


道の駅象潟へ来たのは、酒集めのためだけではありません。
あたしゃここで、象潟の風景をぜひとも眺めてみたかったのです。

道の駅象潟の6階には展望スペースがあって、象潟の風景を眺めることができるのです。
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晴れている日にはこの方向に鳥海山が見えるはずなのですが、この日は完全に隠れてしまっておりました。
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よく見ると、田んぼの中に小高い山々が散在していることがわかります。
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全体の様子は、私の安物カメラでは一枚で捉えることが出来ませんでした。
それ故、道の駅象潟に掲示してあった写真をご覧下さい。
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この田んぼの中に小高い山々が散在する景色は、1804年に発生した地震で出来たと、一般的に言われているようです。
このことについて、文献では以下のように紹介されておりました。
 象潟はかつて、東西約1.5km、南北約5kmの入り江に大小100以上の島々が点在し、松島と並ぶ景勝地、歌枕の地として知られ、松尾芭蕉を始めとする文化人も多く訪れた場所であった。文化元年(1804)の大地震によって湖底が約1.8m隆起し、潟湖跡は新田開発により水田地帯となったが、島々はその後も保全され、昭和9年(1934)には103島が天然記念物に指定され現在も特徴的な景観が保全されている地域である。」(※1)

上記によれば、この象潟一帯が地震で隆起する前は潟湖潟湖、砂洲、砂嘴、陸繋島!(水曜どうでしょうより))すなわち海で、その海面に山々が散在していたわけです。
では、その山々は、いったいどのようにして形成されたのでしょうか?

下記文献の記述によれば、この山々を形成している土は、もともとは鳥海山のこの部分(東鳥海大爆裂火口)にあったもので、それが山体崩壊を起こして象潟まで流れてきたのだそうです。
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このことについて、文献では以下のように紹介されておりました。
 前述のように鳥海山は、火口湖鳥ノ海(鳥海湖)を中心とする西鳥海山と、その形成後に噴出した東鳥海山とに分けることができる、東鳥海山の形成はもっとも新しく、火山体の主要部分を形成後、大爆発によって山頂付近が飛散して北北西に開口する長径約3.5kmの馬蹄形の東鳥海火口を生じた。
(中略)
 東鳥海火口の形成は今からほぼ2,600年前(紀元前5世紀:ブログ筆者注記)の噴火によるもので、その際多量の火山泥流(岩屑流)物質を放出し、山麓に多くの泥流丘を形成した。」(※2)

 他方、大森山塊によって二分されて西方へ向かった泥流は、かつての谷間、すなわち現在の水岡・長岡・石名坂・狸森などを結ぶ線を通って象潟(羽越本線きさかた駅方面)へと流下した。これがいわゆる象潟泥流で、やはり旧海岸線を越えて扇状に広がり、海域時代の九十九島といわれた泥流丘を形成した。九十九島は、現在水田中に散在している。」(※3)

この記述を踏まえて、地図を見てみましょう。

“鳥海山”の文字の上側一帯がくぼんでいること(周りよりも黒いところ)がわかります。
ここが東鳥海火口でしょうか?



そのくぼんだ場所にあった土砂の一部(どうやら3方向へ流れたそうです)が下記地図のマーカーの方向へ流れて、象潟(“にかほ市”の文字辺り)の潟湖の海面上に山々を形成したわけですね。



ここまでのことを踏まえると、象潟における景観の形成過程はこういうことでしょう。
【1】象潟は、もとは平らな海(潟湖)だった。
    ↓
【2】紀元前5世紀に鳥海山が爆発し、流れ込んだ泥流が海面上に山々(泥流丘)を形成した。
    ↓
【3】1804年に地震が起きて隆起し、海面が地面となった。
    ↓
【4】山々を残して地面の部分だけが新田開発され、田んぼの中に山々が散在する今の景色となった。



またここ象潟は、松尾芭蕉が奥の細道で訪れた最北の地なのだそうです。

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元禄2年(1689年)ということは、芭蕉は上記【2】【3】との間、すなわち象潟がまだ潟湖で、海面上に山々が散在していたときに訪れているわけです。
その当時のものと思われる絵図が道の駅にありました。
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芭蕉は船に乗って象潟を散策し、次のような句を残しています。
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この句について、奥の細道では以下のようにとりあげられているそうです。

江の縦横(じゆうわう)一里ばかり、俤(おもかげ)松島に通(かよ)ひて、また(又)異(こと)なり。松島は笑うがごと(如)く、象潟は憾(うら)むがごとし。寂しさに悲しび(み)を加え(くはえ)て、地勢魂(たましひ)を悩(なや)ますに似たり。

象潟や雨に西施(せいし)がねぶの花」(※4)

この文と句とを、注釈では以下のように解説しておりました。
入江の縦横各一里ばかり、そのおもざしは松島に似通っていて、しかしまた違ったところがある。いわば松島は笑っているような明るさがあり、象潟は憂いに沈んでいるかのような感じだ。さらにいえば、寂しさの上に悲しみの感を加えて、その地のたたずまいは傷心の美女の俤(おもかげ)に似ている。
象潟は雨に朦朧とうちけぶり、その中からかの美人西施の憂いに目をとざした悩ましげな俤がそぞろに浮かんでくるような感じがされたが、西施の俤と見たは、実は岸べに茂るねむの花の雨にそぼぬれた姿であった。」(※5)

西施は「春秋時代の越の美女」で、その美しさは「越王勾践が呉に敗れて後、呉王夫差の許に献ぜられ、夫差は西施の色に溺れて国を傾けるに至った。」(※6)との伝説を持つほどだったそうです。
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(道の駅象潟にあった西施像です。)

また、「西施は胸に病を患っていたと伝えられており、胸を押さえて苦しむ姿もが、か弱く美しかったという。」(※7)とのこと。
それ故、上記(※5)の注釈のように、芭蕉はねぶ(合歓)の花が雨に濡れている様子、そしてその合歓の花が咲く雨の象潟の様子を、傷心の美女たる西施の憂いやか弱さにたとえているという解釈が、きっと成り立つのでしょう。

一方で、「和歌の用例ないし辞書の説明を再調査してみると、合歓の花は早くから、眠りを掛ける表現として用いられていることがわかる。」(※8)とし、「合歓の花が「眠る」という意味を有していることは、『万葉集』だけでなく俳諧においても確認される。」(※8)とともに、かつ「近世初期に当たって、合歓の花は和歌や俳諧において、言うまでもなく、眠る花であるという見立てによって表現されている。」(※9)ということを理由(のあくまでも一部)として、“西施がねぶの花”の部分は合歓の花を西施が眠っている様子にたとえたものと解釈する説もあるそうです。


ここでブレイク。
腹が減ったので、冷たい象潟うどん(ギバサ入り)をいただきましたよ。
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お腹も心も満たされたところで、象潟を散策してみることにいたしました。

道路の脇にはねむの木が生えておりましたが、花は咲いておりませんでした。
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羽越本線の踏切を渡って、松並木の奥を目指します。
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ここにあるのは“蚶満寺(かんまんじ)”です。
仁寿3年(853)に比叡山延暦寺の慈覚大師円仁が開山したと伝わる古刹。」(※10)なのだそうです。
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立派な山門は、江戸時代中期の作だとか。
もしかしたら、芭蕉もここを歩いたのでしょうか?
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本堂は、木々に覆われておりました。
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本堂の脇には鐘楼があり、その隣にはなぜか芭蕉の木が植えられておりました。
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舟つなぎの石。
ここはかつて舟着場で、象潟がまだ海だった頃には、人々がここから舟で象潟の散策に出かけたのだとか。
もしかしたら、芭蕉もここから舟で出かけたのでしょうか?
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舟つなぎの石の目の前には、小さな山が一つありました。
当時の観光客にとっては、この山が最初のアトラクションだったのかもしれませんね。
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蚶満寺の境内で、“閑院宮殿下御臨啓紀念櫻”と書かれた碑を見つけました。
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いまはもう桜はなくなってしまったそうですが、そんなことはどうでもよいのです。
なぜならば、この碑こそが、蚶満寺と閑院宮家との関係のみならず、かつて蚶満寺が象潟の景観保全に尽力したことを示す手がかりとなると言っても過言ではないからなのです。

上記【4】の新田開発の際には、この地方を治めていた本荘藩は、山々をすべて取り崩して平らにしようとしたそうです。
しかしそれを、当時象潟の景観を保全管理していた蚶満寺が中心となって阻止したのだとか。
上記で引用した文献では、このことを以下のように紹介されておりました。

 明和3年(1766)年には、蚶満寺を象潟保全の責任者とする通達が藩から出されている。これには(中略)生い茂った多年生の雑草や畑地などによって島の荒れ地が多くなっている状況が書かれている。(中略)つまり、「勝地」(景勝地)である象潟の荒地化を藩が危惧していることがわかる。」(※11)

 象潟大地震によって潟湖全体が隆起して陸地となったため、文化7年(1810)以降、潟跡の北側から、藩の責任者鎌田藤ェ門、商人近江屋次郎ェ門、工事担当者工藤伝作を中心として本荘藩、汐越町人、百姓によって島を削る形で新田開発が進められた。
 潟跡の新田開発に対し、明和3年(1776)の通達以来象潟保全の責任を担ってきた、蚶満寺住職覚林が、藩へ象潟保全を求めた。
(中略)
さらに覚林は閑院宮家の支持を取り付け、蚶満寺を閑院宮家の御祈願所とすることで藩に景観保全を求めた。宮家が象潟保全を求めたため、藩主導の新田開発は中止され、町人請負水田として新田開発が進められた。その結果、島が点在する現在の象潟の原型が作られた。」(※12)

藩主導の新田開発を止めさせるために、宮家のご威光をうまく利用したのですね。
しかしそれも、慈覚大師が創建した名刹だったからこそなし得た、まさに大~、どんでん返し(ねるとん紅鯨団より)ですね。


最後に、境内にあった西施像と芭蕉像とを拝みつつ、蚶満寺を後にしたのでした。
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来るときに渡った踏切で待っていると、EF510形514号機が引く貨物列車がやってまいりました。
JR貨物に身売りさせられても、元気そうでした。
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《ここまでに引用した文献の出典》
(※1)佐々木祐介・三宅諭『象潟の景観形成過程と保全に関する研究』p.251(農村計画学会誌 25巻論文特集号 p251-256 2006.12 農村計画学会)
(※2)村山磐『鳥海山の火山噴出物と象潟の地形との関係』p.453(東北学院大学東北文化研究所紀要 10号(東北学院大学東北文化研究所創立十周年記念号)p454-449 1979.3 東北学院大学東北文化研究所)
(※3)(※2)p.452
(※4)穎原退蔵・尾形仂訳注『新版おくのほそ道』p.47(2003.3 角川ソフィア文庫16)
(※5)(※4)p.126
(※6)広辞苑 第五版(電子辞書)
(※7)松本実可『『おくのほそ道』における「美人」論』p.116(国文目白 53号(熊坂敦子名誉教授 田中功名誉教授 追悼号) p.115-122 2014.2 日本女子大学国語国文学会)
(※8)黄佳慧『「象潟や雨に西施がねぶの花」における西施像』p.4(連歌俳諧研究 122号 p.1-12 2012.3 俳文学会)
(※9)(※8)p.9
(※10)『楽楽 東北1 東北』p.113(2012.7 JTBパブリッシング)
(※11)(※1)p.252
(※12)(※1)p.253-254




あー気が済んだ気が済んだ!
奥の細道をきっかけとして、今回は雨降る象潟を堪能させていただくことができましたよ。
でも、やっぱり次は晴れた日に来たいな。

気が済んだところで、象潟駅から13:16発の羽越本線酒田行普通542Mに乗車。
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どしゃぶりの中を走って行きます。
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酒田駅で、14:00発の陸羽西線快速最上川号新庄行に乗り換え。
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前面展望を試みましたが、大雨で何も見えやしない。
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どしゃぶりを
集めてにごっちゃったぜ
最上川
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快速最上川号を終点新庄駅まで乗車。
新庄駅での乗り換え時に売店を覗いて、澤正宗の純米カップ(再飲です)を入手。
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新庄駅からは、山形新幹線つばさ150号に乗車。
普通列車で行きたいところでしたが、次の発車時刻まで一時間以上もあったことから、しかたがなく新幹線(と言っても実は在来線の特急)に乗車しました。
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新庄駅から1時間ちょっと乗って、着いたのは山形駅。
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これは前から気になっていた看板なのですが、“養蛇所”っていったいどんなところなのでしょうね。
愛玩用(ペット)か、それとも食用(あるいは薬用?)なのでしょうか?
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山形へ着たら、決してはずせないのが居酒屋伝七さん。
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楽しみにしていた岩がきがあるみたいです。
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これはじゅんさいともずくの酢の物。
さわやかでした。
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このちょっとピリ辛の和え物には、“コリンキー”なる、生食用のかぼちゃを使ってあるのだとか。
黄色いやつがそれです。
歯ごたえがとてもよくて、クセのないおいしいかぼちゃでした。
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うどと、細い竹(名前を忘れてしまいました)の煮物。
こういう山の恵みを使った煮物がうれしいワタクシでございます。
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そして山菜の女王と称される“しおで”。
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これらと合わせたのが、羽前桜川の辛口。
糖類酸味料フル添加なのに、なぜかおいしいふしぎなお酒。
今日はひや(常温)でいただきます。
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特大サイズの茄子田楽。
味噌に干しエビとくるみとが入っているところがニクイね。
これはついつい酒がすすみ過ぎてしまう危険な一品でしたよ。
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ここで岩ガキが出てきたのですが、写真を撮ることを忘れて食べてしまいましたよ。
岩ガキは磯臭さや生臭さゼロで、とてもおいしくいただくことができました。
あたしゃ海のもの、特に磯臭いものが苦手なのですが、この岩ガキはそんな私を虜にしてしまいました。


二杯目は、山川光男の2017なつ。
形正宗、楯の、東、(羽陽)山の四蔵が共同で醸造したお酒です。
名前の山川光男は、上記四蔵から一文字ずつ取ったのだとか。
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共同醸造といっても、四蔵で一緒に造っているわけではないようです。
この山川光男は東光製ですが、どうやら造りの過程に他の蔵も何らかの形で関与しているみたいです。
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このことは、「2月に販売した「山川光男2017ふゆ」は、東光さんと男山さんでつくった麹を山形正宗に持ってきて醸造する方法を採りました。」という記述からも推測できると思います。
(月刊山形ゼロ・ニィ・サン 2017年3月号(通巻203号) p.48 2017.2 株式会社アサヒマーケティング)

この山川光男はフルーティーで、酸味が効いておりました。
また度数が13度とやや低めなので、口当たりよくいただくことができました。
ただね、オイラにはちょっと物足りないかな。

お料理はまだまだ出てまいります。
これは鰆のホイル焼。
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チーズケーキの上に自家製さくらんぼジャムを乗せたデザート。
出てきたときから香り高い一品でした。
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三杯目は、満を持しての東北泉。
今日は美山錦で造られた純米吟醸酒でした。
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美山錦らしいさっぱりさとキレのよさとがあるものの、東北泉らしいうまみをしっかりと感じ取ることができましたよ。

最後のお料理は、山形牛と山菜の汁。
アカミズがしゃきしゃきでまいうー!
でもね、ここまで出てきたお料理の量が多くてお腹いっぱいになってしまい、残念ながら全部食べきることができませんでした。
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伝七さん、毎度のことながら堪能させていただきました。


ということで、ここ山形を二日目のキャンプ地とさせていただきました。




★☆三日目(2017年7月17日(月祝))★☆

三日目の朝。
すっかり晴れておりました。
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山形駅から、6:30発の奥羽本線福島行普通420Mに乗車。
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赤湯駅で、7:44発山形鉄道フラワー長井線203Dに乗り換え。
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山形鉄道は三連休東日本・函館パスでは乗車できませんので、切符を買いましたよ。
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赤湯駅から5駅乗って、
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今泉駅で、米坂線羽前椿行1127Dに乗り換え。
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今泉駅から2駅目の終点、羽前椿駅で下車。
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ここから目的地を目指します。


置賜白川なる川がありましたが、白川どころか濁っておりました。
きっと、昨日降った雨のせいでしょう。
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道端にて、ワラビらしきシダ植物を発見。
先っぽがくるくると丸まっているやつって、ワラビですよね?
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羽前椿駅から20分ほど歩いて、やってきたのは道の駅いいで。
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入口では、米沢牛の像がお出迎え。
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そりゃ多くの人は牛肉が好きだろうけれど、食べられてしまう側の牛は果たして本当に人間が好きなのかな?

開店の時刻(9時)まで少し時間があったことから、さくらんぼソフトクリームをいただきながら待つことにいたしましたよ。
甘酸っぱくておいしいソフトクリームでした。
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道の駅いいででは、これらをGET!
樽平の純米大吟醸(左)と、羽前桜川の激辛普通酒(右)。
いずれも初見のお酒でした。
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羽前桜川は170円なのに、樽平は620円もしやがんの。
たぶん今までにいただいたカップ酒の中で最高値でしょう。
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目的を果たしたところで、羽前椿駅へ戻りました。
しかし、なぜか不思議なことに、晴れているのに雨が降ってきやがんの。
最後の最後までいやがらせかよ!
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羽前椿駅からは、10:51発の快速べにばな号米沢行(米坂線内は各駅停車)に乗車。
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座席が空いていなかったことから、しかたがなく前面かぶりつきで過ごすことにいたしましたよ。
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羽前椿駅から40分ほど乗って、終点の米沢駅で下車。
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米沢駅の売店で、東光の精撰本醸造をGET!
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東光は、かつては精撰は普通酒(糖類添加なし、酸味料添加あり)で、上撰が本醸造でした。
しかし、米沢駅の近くにあったスーパーの酒コーナーを覗いてみたところ、どうやら精撰は本醸造に、そして上撰は純米酒へと変わったみたいでした。


今回の旅での酒集めはこれですべておしまい。
米沢へ来たからには、最後の〆はやっぱりこれでしょう。
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まずはビール。
冷え冷えでまいうー!
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そしていただいたのは、米沢牛丼。
ファーストフードの牛丼と比べて、約3~4杯分のお値段です。
お肉がものすごくやわらかくて味わい深く、とてもおいしい牛丼でした。
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ですがね、この牛丼、あたしゃあまりおすすめできませんよ。
だって、これを食べたらね、ほかの牛丼を食べることができなくなってしまいそうですから。
まるで磯田園のお茶みたいな牛丼でした。

(公式動画のようですから、ここで紹介しても問題ないでしょう。)


お腹も心も満たされたところで、米沢駅から山形新幹線に乗って帰ったとさ。
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以上、カップ酒16個(再度購入5個)、一合瓶2本、300ml瓶4本の旅でした。

“東北泉 本醸造カップ”をまた飲んでみましたよ~だ! [また飲んでみました]

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合資会社高橋酒造店
山形県飽海郡遊佐町吹浦字一本木57

アルコール分/15度以上16度未満
原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合/70%
180ml詰
(以上、カップの印刷事項より転記)




《初回記事》
【お酒】340.東北泉 本醸造 カップ


今日は、東北泉の本醸造カップをまた飲んでみました。
なお、高橋酒造店のお酒は、このほかに以下のものをいただいております。
東北泉 純米吟醸 生詰 300ml
東北泉 本醸造 300ml

記録では、前回いただいた際の精米歩合は68%でした。
しかし、今回いただくこのお酒は70%と、わずかですが低精白になっているようでした。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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意外にも、最初に酸味を感じました。
強くはないものの、ちょっと鋭さがあって、深みを少し感じる酸味です。
かすかにピリッと感じますが、気にはなりません。

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
やわらかいうまみとともに、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを少し感じます。
熟成感もほんのかすかにあるみたいです。
苦みや雑味はなく、キレもよい感じです。

甘みはややはっきりしています。
かなりさらっとした甘みですが、厚みを少し感じます。


深みのある酸味と雑味のないうまみとの、まさに旨口のおいしいお酒でした。
この酸味は、海の食べ物に合うと思います。
それにしっかりしているものの、雑味がなくて飲みやすさを感じます。
前回いただいた際とは感想がかなり異なりますが、もしかしたら造りごとに味が微妙に変わるのかもしれませんね。
ちがうよオマエの舌がポンコツだからだろ!

このお酒は、おそらく東北泉シリーズの中でも最も廉価なものでしょう。
一方で、かつて吹浦を訪れた際には、この東北泉の看板を掲げる酒店を街中でいくつか見つけました。
ということは、おそらく吹浦の人たちは、普段からこのお酒で晩酌を楽しんでいらっしゃるのではないでしょうか?
こんなおいしいお酒で晩酌できる吹浦の人たちのことが、あたしゃうらやましいかぎりですよ。

鶴の友もそうでしたが、地酒ってのは、地元の人たちに愛されていることこそが、地酒たる所以なのでしょうね。


ああ・・・、
また山形へ行きたくなってきましたよ!
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【お酒】1228.稲川 金紋 本醸造 カップ [07.福島県の酒]

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合資会社稲川酒造店
福島県耶麻郡猪苗代町字新町4916

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合63%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




稲川酒造店さんのお酒は、これまでに稲川 辛口地酒蔵 本醸造仕込 生貯蔵酒 300mlと、普通酒の稲川 イナガワカップ、そして稲川 にごり酒 蔵出し原酒 カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、本醸造のカップ酒です。


本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色はけっこうはっきりしていて、わずかに茶色がかっているようでした。
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おお!

こちら久々の!(←パンチDEデートの桂三枝で)、かなり濃いめのうまみといった感じでございます。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがしっかりしています。
熟成感も豊かで、ウィスキーのような風味がございます。
でも苦みや雑味はなく、しかもキレはよいですね。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが強めで鋭いものの、深みがありますね。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
その存在はわかりますが、前には出てこない感じの甘みです。
酸味の陰に隠れているみたいです。


酒臭くて(←あくまでもほめ言葉です)深みのある、濃醇すっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
これはかなり濃いですが、雑味がなくてキレがよいので、クドさはないですね。
もしかしてこの濃さとキレのよさとの両立は、アル添の効果でしょうか?
ただし、風味が独特で、ちょっと重いかもしれません。
それに酸味がけっこうすっぱめですが、これが濃いめのうまみとよく合っているみたいです。
決して飲みやすいお酒ではありませんが、私は好きですね。

【お酒】1227.葵紋 紀州 吟醸酒 カップ [30.和歌山県の酒]

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有限会社中尾酒造店NBC
和歌山県海草郡紀美野町動木28

アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




有楽町の東京交通会館の中にある和歌山県のアンテナショップで入手したお酒です。


蔵元さんの商号の末尾に、“NBC”とありますね
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これはあくまでも私の予想ですが、もしかしたらこのお酒は蔵元さんの自醸酒ではなくて、同じ和歌山県の蔵元である中野BCに委託して製造されたお酒なのではないでしょうか?


ところで、このお酒を買うときに、あたしゃ完全にだまされましたよ。
というのも、製造年月を見て「こりゃ7月製造の新しいお酒だぜ!」と思って即買いしたのです。
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しかし、家に持って帰ってからよく見てみると、これって7月じゃなくて、1月製造分じゃないかと気が付いたのです。
“1”の字が、ウンチョコチョコチョコピー(←音が出ます)みたいに反った状態で表示されていることから、これが“7”に見えてしまったのです。
どうせ酔っぱらっていたからそう見えただけだろ!

でもね、よく考えてみると、7月製造分のものを入手できるわけがないことに気づいたのです。
だって、このお酒は7月2日の日曜日に入手したのですが、土曜日である7月1日に和歌山で製造されたお酒が、翌日(しかも日曜日)の午前中に和歌山から遠く離れた有楽町の店先に並ぶはずがないのですよ。


入手してしまったものはしかたがありません。
ありがたくいただくことにいたします。
吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
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お酒の色は、濃くはないもののきれいな色でした。
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アル添吟醸酒ですが、吟醸香はごくかすかですね。

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
米のうまみがしっかりしていて、熟成感もちょっとあるみたいです。
苦みはないものの、軽い渋みをほんのかすかに感じます。
キレはとてもよく、スッと引いていきます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは弱めですが、深みを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
ゼロではないものの、かなりさらっとした甘みをちょっとだけ感じる程度です。


しっかりしているもののキレのよい、やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
うまみだけだと濃くはないものの、酸味の深みと相俟って、濃さを感じます。
熟成感をちょっと感じたのは、製造過程における熟成の成果でしょうか、それとも1月の製造から半年経ったからでしょうか?
いずれにせよ、半年経っても老ねたり雑味が出たいしていないのは、丁寧に造ってある証拠ではないでしょうか。
なかなかいけると思いました。

【お酒】1226.眞名鶴 懐石本醸造 カップ [18.福井県の酒]

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真名鶴酒造合資会社
福井県大野市明倫町11の3

原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール
アルコール分15度
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




真名鶴酒造さんのお酒は、かつて純米酒 観音裏 300mlをいただいております。
今日いただくこのお酒は、“懐石-”と銘打たれた精米歩合60%の本醸造です。
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ここで、“懐石”という言葉の意味を確認しておきましょう。
手元の辞書によれば、「温石(おんじゃく)で腹を温めると同じ程度に腹中を暖め、空腹をしのぐ粗末な食べもの」とか、あるいは「茶の湯で茶を出す前に出す簡単な食事」(※1)を意味するのだとか。

今日いただくこのお酒も、果たして空腹を満たしてくれるような味わいなのでしょうか。
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少しはっきりしておりました。
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うまみは淡くはないものの、厚みや深みはないみたいです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを少し、それに米のうまみもじんわりと感じます。
一方で、軽い苦みがあって、気にはならない程度ではあるものの、それでも少し角を感じます。
キレはかなりよく、透明感をはっきりと感じます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは弱めです。
でも、アルコール由来と思われるさわやかさがはっきりしていて、スースーと感じるくらいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
かなりさらっとしていますが、その存在は明白です。


苦みがちょっとあるもののキレよくさわやかな、スースーちょい苦やや甘口のお酒でした。
キレのよさやスースーは、きっとアルコール由来のものでしょう。
ということは、醸造アルコールが本醸造の特定名称を名乗るお酒で許容されている上限くらいまで添加されているということでしょうか?

これはあくまでも私の感想ですが、“懐石-”と銘打たれてはいるものの、空腹をしのぐことができるようなどっしりとした味わいではないなと思いましたとさ。

(※1)広辞苑 第五版(電子辞書)

【お酒】1225.辛口純米酒 五郎 カップ [15.新潟県の酒]

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今代司酒造株式会社
新潟県新潟市中央区鏡が岡1番1号

原材料名:米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合:65%
内容量:180ml
アルコール分:15度
五百万石100%使用
(以上、ラベルより転記)


新潟市の中心地、新潟駅の近くに蔵を構える今代司酒造さん。



文献によれば「「2006年から当蔵は全量純米仕込みの蔵となりました」」(※1)と紹介されておりました。
あたしゃね、アル添は今日においては酒造りの一技法として確立していて、純米/アル添のそれぞれの良さを認めつつそのちがいを感じ取ることも、お酒を楽しむための一方法だと思っているのですけれどね。

いかんいかん。
蔵元さんのご努力に水を差すようなことを言ってはいけません。
そんな純米蔵の今代司酒造さんが造ったこのお酒は、五百万石を全量使用していて、辛口と銘打たれた純米酒です。
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このカップ酒ですが、ラベルに描かれている絵がにぎやかで面白いものでした。
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これなんか、清酒のラベルなのに、ちょんまげを結った人がビールを飲んでいます。
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純米酒ですので、いつもならばぬる燗でいただくところです。
ですが、今日はものすごく暑かった上に、外出して炎天下を歩き回ったことから、最初から燗酒ってのはちょっとつらいところです。
つらかったら飲まなきゃいいじゃないか!
そこで、まずは冷や(常温)でいただいてみたいと思います。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや濃いめです。
お米のうまみに鋭さがあって、舌の上をピンと突いてくるようです。
熟成感がほんのかすかにあるかもしれません。
苦みや雑味はまったくなく、しかもキレがよく、スッと引いていきます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは弱めですが、鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
ゼロではなく、穏やかな甘みをちょっとだけ感じます。


うまみにも酸味にも鋭さを感じるものの、わずかな甘みが味を整えている、やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
たしかに辛口でしたが、決してドライではなく、わずかな甘みがまろやかさをちょうどいい具合に添えているようでした。
しかも、アル添であるかの如くキレがよく、それに雑味もなくて飲みやすく仕上がっていると感じました。
これは私の推測ですが、この蔵元さんが全量純米蔵になさったのは、アル添をしなくてもキレのよさや軽さを出すことができる技術を独自に確立なさったからではないでしょうか?



ここで、ぬる燗にしてみましたよ。
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おお!
こりゃいいな!!

燗にすると、甘みが引っ込んで、ややドライな感じが出てまいりました。
また酸味が際立って、その酸味に深みが出てまいりました。

燗酒にすることで、キリッと引き締まって、それでいてうまみしっかりでかつ深みもある辛口酒になりましたよ。
たしかに冷や(常温)もおいしかったですが、でも燗酒にしたほうがより一層おいしくなるのではないでしょうか!

カップ酒にするような(安価な)純米酒でこの味わいを出せるのでしたら、そりゃアル添の必要なんてないでしょうね。
恐れ入りました。

(※1)『にいがた日本酒手帖』p.29(2014.11 株式会社ニューズ・ライン)

【お酒】1224.鶴の友 上白 300ml [15.新潟県の酒]

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樋木酒造株式会社
新潟県西区内野町582

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール
300ML
(以上、ラベルより転記)




この鶴の友は、私のあこがれのお酒でした。
だって、これはおいしいとの評判を少なからず聞くものですから。

中でもとある居酒屋探訪家の方はこの鶴の友がお好きのようで、著書では以下のように紹介しておりました。
飲んでいる燗酒は大好きな「鶴の友」。主人は「新潟酒は安いものがレベルが高い。高級酒はそうでもないが、安い酒で勝負したら県外のどこにも負けない」と言う。その代表が鶴の友で、新潟古町芸者にうまい酒をきくと例外なくこれを挙げる。
(中略)
昔ながらの手法からさらりとした端正な味わい。含み香ほのか、あとくちに余分な味が残らないキレの良さ。おかんをつけたらピカイチ〉は、じつに全くその通りで、無駄なく正確な表現は私などには到底書けない。」(※1)


ところがこの鶴の友は、そう簡単には手に入らないのです。
なぜならば、「地元を意識した酒造りに徹してい」て、「新潟市内以外では、ほとんど見ることのない酒」(※2)だからなのです。

その理由について、とある新潟のお酒を紹介した冊子では以下のように書かれておりました。
同蔵の日本酒は地元・新潟地域以外での購入は非常に難しい。地元での販売にこだわっているからだ。「新潟の日本酒は、全国で買えるようになってしまった。それでは地酒ではない。やはり地で飲まれ、販売されてこそ地酒。自分たちの造った酒がどう飲まれているのか。どう扱われているのか。それを知り、その上で飲み方を飲み手に教える。これを行うためにはやはり地元での販売ではないと・・・」。だからこそ、時として厳しい口調で酒そのものを説くこともあるという。」(※3)

おいおい、聞いたかよ!。
東京やら海外やらへの進出しか考えていない、どこかの蔵元さんよ!
(どこかはあえて指摘いたしません。)


そんなレアものですからね、あたしゃ到底お目にかかることはできないだろうと、ずっと思っていたのです。
それに地元販売のみの地酒であれば持ち運びにお手軽なカップ酒や少量瓶なんか出す必要もないでしょうから、きっと私の守備範囲には入らないだろうと諦めておりましたよ。

ところがところが、尊敬すべき酒ブログの大先輩であらせられます丹醸様が、この鶴の友上白の300ML瓶を紹介なさっていらっしゃったのです。
その記事を拝読してから、あたしゃもう、寝ても冷めても鶴の友に恋焦がれるばかり。
  鶴の友
   嗚呼!、鶴の友
    鶴の友

これはぜひとも入手せねばならぬと思い、新潟まで行って買ってきた次第でした。


“上白”という小印が付されております。
どうやらこれは蔵元さんが独自に定めた小印で、佳撰クラス(かつての級別制度下における二級酒相当か?)のお酒を示すもののようですね。
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佳撰相当の普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ごくかすかに着いている程度でした。
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うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
お米のうまみに厚みを感じますね。
舌の上にズシリと乗っかってくるようです。
一方で、苦みや雑味はまったくありません。
それにキレがよく、スッと引いていきます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、ちょっと鋭いかもしれません。
でも、すっぱさには深みを少し感じます。
アルコール由来と思われるさわやかさもちょっとありますね。
また、かすかにピリッと来るようです。

甘みはややはっきりしています。
弱めでかなりさらっとしていますが、その存在はわかります。


厚みのある米のうまみを酸味がキリッと引き締める、旨口そのもののおいしいお酒でした。
米のうまみが厚くて、甘みもちょっと感じますが、酸味がいい具合に引き締めています。
また、このキレのよさはアル添の効果のようにも思いますが、それでいてアルコール臭さはまったくありません。
それに苦みや雑味がまったくなく、しつこさやクドさとは無縁の味わいでした。
お燗にすると際立つと思われるちょいピリさえも、心地よく感じました。
この味わいは、五味やその他の味わいの絶妙なバランスの下に成り立っているのではないでしょうか。
佳撰クラスでこの味わいなのですから、もっと上級のお酒もぜひとも味わってみたくなってまいりましたよ。

(※1)太田和彦『居酒屋百名山』p.85-86(2013.5 新潮文庫 原典は2010.2刊行)
(※2)『にいがた地酒王国』p.52(1998.10 新潟日報事業社)
(※3)『にいがた日本酒手帖』p.33(2014.11 株式会社ニューズ・ライン)

【お酒】1223.比翼鶴 カップ [40.福岡県の酒]

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比翼鶴酒造株式会社
福岡県久留米市城島町内野466-1

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 15度
180ml詰
(以上、フタより転記)




昨日に引き続き、比翼鶴酒造さんのお酒をいただきます。
昨日いただいた蔵カップには上撰の小印が付けられておりましたが、こちらにはありませんでした。
ということは、こちらは佳撰クラス(かつての級別制度下における二級酒相当)なのでしょうか?


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、これも少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみは同じですね。
しっかりしてはいるもののキレがよく、深みがほしいところです。
酸味も同じく、すっぱさが少しあって鋭さをちょっと感じます。

ただね、ほんのかすかですが、こっちのほうがアルコール香がハッキリしているように感じました。
また、甘みもこっちのほうがちょっとはっきりしているかもしれません。

でもなぁ、もしかしたら、同じお酒かも。
昨日飲んだお酒と比較するだけなのですが、同じなのかちがうのか、自信をもって判定できません。
オイラもまだまだだな。
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