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【お酒】1090.燦然 上撰 本醸造 カップサンゼン [33.岡山県の酒]

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菊池酒造株式会社
岡山県倉敷市玉島阿賀崎1212

原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合:70%
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml詰
(以上、フタとカップの印刷事項とより転記)




昨日いただいた燦然カップ(普通酒)に引き続き、今日も菊池酒造さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒は、上撰の小印が付けられた、精米歩合70%の本醸造のカップ酒です。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、わずかに茶色がかっていて、澄んだ感じでした。
こういう色のお酒って・・・、
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うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(ほめ言葉です)うまみも少し感じますが、それよりもやっぱり苦みが少しはっきりしています。
香ばしさも少しあるみたいです。
それでいてキレがよく、透明感も感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少しあって、さわやかさも少し感じます。
それに、ちょいピリですね。

甘みはややはっきりしています。
強くはないものの、少しべとつくような気がします。


ちょい苦ちょいピリやや甘口のお酒でした。
これまでに、苦みの強い醪を多めのアル添でのばして搾ったような味わいのお酒にいくつか出会いましたが、それらはみな普通酒でした。
今日いただいたこのお酒は本醸造ですから、醸造アルコールの添加量に上限があって、アルコールでのばすようなことは基本的にはできないはずです。
それでもこのお酒は、これはあくまでも私の感想ですが、アル添でちょっと角のある味を緩和しているように感じました。
私としては、この上撰本醸造よりも、昨日いただいた普通酒の燦然カップのほうがはるかにおいしいと思いました。

【お酒】1089.燦然カップ [33.岡山県の酒]

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菊池酒造株式会社
岡山県倉敷市玉島阿賀崎1212

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分14.0度以上15.0度未満
180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)




酒造りを始めたのが明治十一年。「燦然と輝く」という言葉の通り、代表酒銘の「燦然」には、数ある酒の中で輝くというようなすばらしい酒という意味が込められている。」(※1)という燦然(さんぜん)。


ネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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最初に甘みを感じました。
けっこうはっきりしていますが、けっしてべとつかない、さらっとした甘みです。

うまみは淡めです。
やわらかいうまみをほんのりと感じる程度です。
苦みや雑味はありません。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさはちょっとだけで、むしろさわやかさをややはっきりと感じます。
刺激やピリピリ感はありません。


甘みとさわやかさとがよく合う、淡麗爽快甘口のおいしいお酒でした。
甘いですが、クドさはまったくありません。
甘み自体がさらっとしているのみならず、さわやかさもうまく作用しているようです。
それに雑味がまったくなくて、きれいな味わいです。
これ、なかなかいけるんじゃないの。

(※1)山陽新聞社出版局編集・岡山県酒造組合連合会協賛『岡山の酒』p.63(1997.5 山陽新聞社)

愛の国カンダーラへ [旅]

ゴダイゴの歌に、『ガンダーラ』という曲があります。
たとえ著作権法上の引用の用件を満たしていても、歌詞を紹介すると某著作権管理団体の標的にされかねませんのでやめておきますが、なんでもガンダーラはインドにあって、どんな夢でもかなう愛の国なのだとか。

私も長年見続けてきた夢をかなえたくなったので、JR東日本の週末パスを使ってカンダーラを目指して出かけてまいりましたよ。
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まずは、東京駅から山形新幹線つばさに乗車。
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東京駅から2時間40分ほど乗って、着いたのは山形駅。
その山形駅で、左沢線(あてらざわせん)のキハ101系ディーゼルカーに乗りかえ。
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座席はロングシートです。
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あー雪がいっぱい積もっていやがる。
でも昨日まで荒天だったようでしたが、この日は降っていませんでした。
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山形駅から約30分、7駅乗って、着いたのは寒河江(さがえ)駅。
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駅の横にある小屋からバスターミナルから、荒町南行のバスに乗り換え。
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20分ほど乗って、松橋角のバス停で下車。
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今回は、山形県河北町の谷地で、酒集めをしてみようという算段なのです。
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谷地の街は、景色のよいところでしたよ。
これは葉山。
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そしてこちらはおなじみの月山。
がっさーん!(月山)
立て!ジョー!(楯状火山)
あそびでねぇんだ!(アスピーテ)
(水曜どうでしょうより)
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私ね、積もった雪を見ると、いつも思うことがあるのです。
積もった雪って、豚ばら肉の塊みたいじゃないですか?
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昨日まで雪が降っていたようで、当然ながら歩道には雪が積もっておりました。
でも、なぜか不思議なことに、車道には積もっていないんですよね。
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案の定、スッ転んでしまいました。
上着もシャツも脱いでTシャツ一枚で歩いていたせいで、軽くすりむいてしまいましたよ。
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でも、リュックの中に上着とシャツとを入れていたおかげで、それらが緩衝材となってくれて、酒に被害はありませんでした。


谷地の街を歩いていて気がついたのですが、お寺のお堂や神社の拝殿に、白い幕が引かれておりましたよ。
もしかして、雪から建物を守るための手法なのでしょうか?
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谷地には、蔵元さんが二つあります。
これは“朝日川(あさひかわ)”を造る朝日川酒造さん。
逆光の影響で、こんな写真しかとることができませんでした。
ちがうよオマエがヘタクソだからだろ!
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そしてこちらが、“あら玉”を造る和田酒造さん。
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歩き回っているうちに、腹が減ってまいりました。
そこで、お目当てにしていた“葵”さんへと吸い込まれていきました。
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私が葵さんでぜひとも食べたかったのは、納豆餅。
ラーメンとのセットもありましたが、私の胃袋にはちょっと多すぎますので、敬遠させていただきました。
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選んだのは、納豆餅(5個)と、雑煮餅(2個)。
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このお店の餅は、ものすごくキメが細かい!
日本中の餅がこれと同じだったら、きっと餅を喉に詰まらせて命を落とす事故がゼロになるんじゃないでしょうか。
それに納豆のうまみが餅の味を引き立ててくれて、とてもおいしい一品でしたよ!
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私にとっては、人生初のおいしい納豆餅でした。
でも、どうやら山形では、納豆餅こそがもっとも一般的な餅の食べ方なのだとか。

これは雑煮餅。
餅の他に根菜や山菜が入っていて、野菜好きの私にはとてもうれしい一品でした。
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谷地での成果はこちら。
和田酒造さんのあら玉は、出羽燦々を使用した純米吟醸をGet!
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こちらは朝日川の生酛なま酒(特定名称の表示なし)と、あら玉の辛口本醸造。
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朝日川は、本醸造のカップ酒も見つけました。
それにあら玉と朝日川との、いい感じの300ml瓶もありましたよ!
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谷地での酒集めはこれでおしまい。
谷地のバス停から、今朝乗ってきたバスで引き返します。
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寒河江駅で、左沢線の山形行普通ディーゼルカーに乗り換え。
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誰も乗っていないので、一杯やっちゃいます。
どうせ乗っていたってやるんだろ!
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このあとで、いっぱい乗ってきましたけれどね。

左沢線のディーゼルカーを、終点の山形駅まで乗りました。
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山形へ来たら決してはずすことができないのが、ここ“居酒屋伝七”さん。
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おーあった!
寒ダ~ラ♪、カンダーラ♪
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今日もいつもどおり、晩酌コースを予約しておきました。
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この煮浸しですが、あっさりしている中に野菜の甘みが出ていてものすごくまいうー!
ご主人から野菜の名前を伺ったのですが、すみません、忘れてしまいました。
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これはこんにゃくや舞茸、きくらげなどを、真鱈のたらこで和えたもの。
いわゆる一般的なたらこ(スケトウダラの子)にありがちな臭みがまったくなくて、うまみだけが出ているおいしい一品でした。
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鰊の山椒漬けは、会津で食べるよりもおいしいかも。
鰊を漬ける酢をお店独自の手法で熟成させているそうで、さもありなんといったところでしょうか。
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なめことえのきの和え物。
きのこの味が濃いね!
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これは大根を柿で漬けてあるのだとか。
しょっぱくないのに、美味しいお漬物でした。
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もう一品、お刺身が出たのですが、写真を撮ることを忘れてしまいました。


肝腎のお酒ですが、まずは羽前桜川の辛口。
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今回はラベルを撮影することがかないませんでしたが、過去の記事で紹介しておりますので、そちらをご参照下さい。


そしていよいよ、寒ダラ鍋をいただきます!
火を入れる前はこんな感じ!
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20分ほど加熱すると、こうなります!
寒ダ~ラ♪、カンダーラ♪
オマエただそれが言いたいだけだろ!
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これね、ものすごくまいうー!
あたしゃ鱈ってのは、身がパサパサで、しかもケミカルな感じの臭みがプンとする、あまりおいしくない魚だと思っておりました。
でもね、この寒ダラ鍋は身がプルプルでした。
それに臭みゼロで、魚のおいしいところだけが凝縮されている感じでした。
いやー、山形へ来てよかった!

この寒ダラ鍋に合わせたのは、今日徘徊した谷地の“あら玉”。
この特別純米酒は、さっぱりしてて、しかも雑味ゼロできれいな味わいでした。
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最後に出していただいたのは、山形牛のカツ。
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やわらかくて、ジューシー!
キャベツにかかっていたドレッシングにはピーナッツが使ってあるそうで、これもまた香ばしくておいしい一品でした。

このカツに合わせたのは、満を持しての東北泉!
山形へ来たら、これもけっしてはずせません。
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今回も、居酒屋伝七さんでお料理とお酒とを堪能させていただきました。

ということで、
ここをキャンプ地とする!




翌日。
早起きして、普通電車に乗って板谷峠を越える計画でした。

しかし、この日は寝坊してしまい、予定していた普通電車に乗ることができませんでした。
きっと雪の中を歩いたことで、予想以上に体力を消耗してしまったことが原因でしょう。
ちがうよ飲みすぎただけだろ!

そこで、山形駅から山形新幹線つばさの自由席に乗車。
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つばさ号は、地吹雪の中を走って行きます。
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つばさ号を福島駅まで乗って、郡山行の普通電車に乗り換え。
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途中、安達太良山を眺めつつ、
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福島駅からおよそ50分、10駅乗って、着いたのは郡山駅。
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今回は、郡山での酒集めを試みました。
東北本線を北上するときや会津へ行くときにここ郡山駅で乗り換えることは少なからずありましたが、街を徘徊するのは初めてでした。


この有名な酒屋さんがあることも、郡山で徘徊することを決めた一因でした。
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お酒のとり揃えが豊富で、しかもいわゆる通好みのものばかりでした。
それに、お店に清潔感があるところがいいなと感じました。
でも、一升瓶や4合瓶の取り扱いが主で、残念ながら私の守備範囲とは異なっておりました。
駐車場が複数個所にあったことから、車で来て一升瓶を買ってもらうことを狙っていらっしゃるのかもしれません。


郡山の街からも、安達太良山(?)を拝むことができましたよ。
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郡山での成果はこちら。

仁井田本家さんの“穏(おだやか)”はかつて精米歩合85%の純米酒をいただいておりますが、今回は精米歩合60%の純米吟醸酒(一合瓶)を見つけました。
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瑞祥花泉の本醸造カップはこのブログの草創期に一度いただいておりますが、只見駅のラベルに包まれたものを見つけ、入手してしまいました。
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郡山の地酒である雪小町は、満を持しての大吟醸をGet!
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今回の酒集めはこれでおしまい。
郡山駅へ戻って、駅構内にあるもりっしゅへ。
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まずは、末廣の山廃純米を燗でいただきます。
会津若松に蔵を置く蔵元さんのお酒です。
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燗にすることで、うまみがふくらんでくるようでした。

そして、ソースカツ丼のハーフをいただきます。
ハーフでも、私にとっては十分なサイズでしたよ。
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続いて、辰泉の純米吟醸京の華をいただきました。
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キリッとしていて、鋭さを感じる味わいでした。


郡山駅にあるお店で、会津酒造さんの吟醸生酒あらばしりをGetして、
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東北新幹線やまびこ号に乗って帰ったとさ。
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以上、カップ酒2個、一合瓶2本、300ml瓶6本の旅でした。

【お酒】1088.二波山松緑 お燗瓶 [08.茨城県の酒]

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株式会社笹目宗兵衛商店
茨城県笠間市笠間1339
正180ml詰
(ここまで、瓶の印刷事項より転記)

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
(以上、王冠より転記)




昨日いただいた二波山松緑(ふたばやままつみどり)のカップ酒に引き続き、今日も笹目宗兵衛商店さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒は、お燗瓶に詰められた普通酒です。

品質表示を見る限りでは、カップ酒と異なり、こちらには糖類が添加されてないみたいです。
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この王冠は、岡山の極聖(きわみひじり)のお燗瓶で用いられていたものと同じものですね。
もしかしたら、業務用の既製品なのかもしれませんね。


カップ酒(糖添)もお燗瓶(糖類添加の表示なし)も普通酒ですが、はたして味わいにちがいがあるのでしょうか?
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、カップ酒と同じく、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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うーん、これはなぁ。

カップ酒よりも酒臭さ(←ほめ言葉です)が少しはっきりして、苦みも強めのように感じます。
アルコール香もはっきりしているようです。
でもやっぱり甘みがはっきりしていて、しかもとろみのような舌触りもあるみたいです。


もし同じお酒だとすれば、カップ酒との味のちがいは、仕込みタンクのちがいに起因する個体差でしょうか?
でも、こっちのほうがカップ酒よりも味がはっきりして、中身が異なるようにも感じました。

ごめん。
同じか違うのか、わかんねぇや。

飲み比べてみればよかったかもしれません。

【お酒】1087.二波山松緑 カップ [08.茨城県の酒]

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株式会社笹目宗兵衛商店
茨城県笠間市笠間1339

原材料名:米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール、糖類
アルコール分:15度
正180ml詰
(以上、カップの印刷事項より転記)




笠間稲荷神社の門前に蔵を置く蔵元さんのお酒、“二波山松緑(ふたばさんまつみどり)”です。

“二波山-”という酒銘ですが、そういう名前の山があるわけではないみたいです。
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銘柄は筑波山加波山の双璧を言い表す「二波山松緑」。」(※1)という記述にあるとおり、茨城県を代表する二つの名峰からとったようです。

これが筑波山。
四六のガマで有名な筑波山ですよ。
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そしてこれが加波山。
加波山事件(三島通庸暗殺未遂事件)でおなじみの山です。
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そんな茨城県の名峰からその名をいただくこのお酒ですが、誠に残念ながら、糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることが確認できる程度でした。
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燗をつけると、お酒の甘い香りが漂ってまいりました。

最初に甘みを感じます。
やはり三増酒らしい、とろみのような舌触りがありますね。

うまみは淡めですが、淡いなりにしっかりしています。
やわらかいうまみをかすかに感じますが、それよりも渋みのほうがちょっと際立っているようです。
香ばしさもかすかにあるみたいです。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんどなく、さわやかさを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。


やや淡麗でちょい渋甘口のお酒でした。
うまみは淡めであるものの、甘みがコクを添えています。
でも、甘み自体に三増酒らしいとろみを感じるほど、甘みがはっきりしています。
渋みがアクセントのようでしたが、私としてはそれが些か気になるところでした。

(※1)『茨城の酒と蔵』p.99(2002.10 茨城新聞社)

【お酒】1086.金冠黒松 カップ [35.山口県の酒]

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村重酒造株式会社
山口県岩国市御庄五丁目101の1

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
180ml




金冠黒松という酒銘について、蔵元さんのWebsiteでは以下のように紹介されておりました。
古来、黒松は式典、結婚式等お祝い事には必ず飾られた喜びを象徴するもので、初代蔵元が当社の酒を飲む事によって皆様により多く幸せがもたらされる様、金冠を上に載せ金冠黒松と名付けました。

これは私の意見ですが、“金冠”も“黒松”も、他社では酒銘よりもむしろ小印として使用されることが多いように思います。
とくに“黒松”は、灘五郷のうち西宮郷に蔵を置く白鹿(辰馬本家酒造)さんや白鷹さん、それに御影郷の剣菱さんが、上撰(特撰?)クラスのお酒に付けておりますね。


そんな金冠黒松ですが、誠に残念ながら糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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うまみは淡めです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをほんのわずかに感じるか感じないかといった程度です。
苦みや雑味はまったくありません。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが強くて、しかも鋭さを感じます。
それに、ちょいピリでした。

甘みははっきりしています。
ほんの少しではあるものの、糖添三増酒にありがちなとろみのような舌触りを感じます。


淡麗すっぱちょいピリ甘口のお酒でした。
三増酒らしいとろみのような舌触りがあるものの、味にクドさはありませんでした。
うまみがほしいところでしたが、酸味がそれを補い、甘みがコクを添えているようで、物足りなさは感じませんでした。
ただし、これはあくまでも私の感想ですが、酸味がかなり鋭いので、些か飲みにくさを感じました。

ところで、この酸味は米のたんぱく質に由来するものでしょうか?
それとも・・・?
いやいや、品質表示を信じましょう。

【お酒】1085.猩々 カップ [29.奈良県の酒]

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北村酒造株式会社
奈良県吉野郡吉野町大字上市172-1

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




昨日の猩々(しょうじょう)の上撰カップに引きつづき、北村酒造さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒でしたが、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
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また、小印が付けられていないということは、これは佳撰クラス(級別制度下における二級酒相当か?)のお酒なのでしょうか?


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いている程度でした。
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うまみはやっぱり濃くはないですね。
うまみよりも軽い苦みのほうがはっきりしておりますが、苦みは上撰ほど強くはないみたいです。
やはりこのお酒にも透明感があって、キレもよいみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさがちょっとだけあるみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしています。
糖添三増酒にありがちな、とろみのような舌触りをちょっと感じます。


ちょい苦甘口のお酒でした。
苦みは上撰よりもちょっとだけひかえめです。
しかし、うまみがそれほどはっきりしておらず、しかも甘めでした。
これはあくまでも私の予想ですが、上撰と造りの基本は同じであるものの、糖類が添加されている分だけ上撰よりも米由来の成分が少ないことに起因するのではないでしょうか?

【お酒】1084.猩々(しょうじょう) 上撰 カップ [29.奈良県の酒]

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北村酒造株式会社
奈良県吉野郡吉野町大字上市172-1

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15度
180ml詰
(以上、フタに貼られたラベルより転記)




「猩々」とは、もともと中国の古い故事に出てくる想像上の生き物で、海中に棲み、人面だが猿に似た体の、無類の酒好きの妖精とされる。後に日本で能楽の演目となり、一般に浸透するようになった。」(※1)という猩々(しょうじょう)。
その酒好きの妖精をその名にいただくこのお酒をいただきます。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに茶色がかっておりましたが、透き通った感じがしました。
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ああ、やっぱり。

うまみというか、むしろ苦みが少しはっきりしています。
それでも透明感があって、キレもよいみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさがちょっと、さわやかさもちょっとといったところでしょう。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
ちょっとべとつくようです。


ちょい苦いやや甘口のお酒でした。
うまみがほとんどなく、苦みのほうがはっきりしていて、それでいて透明感すら感じるキレのよさでした。
あくまでもこれは私の予想ですが、こういう味わいのお酒って、雑味の出た醪を多めのアルコールでのばしているのではないでしょうか。
それ故に、色合いや味わいに薄さ、すなわち透明感が出るのではないでしょうか?
これまでにも月山(鳥取県のほう)静ごころなどが、これと似たような色合いや味わいでした。

それでも、このお酒には甘みがあることで、苦みが多少緩和されているように感じました。


(※1)山田二良『奈良の銘酒』p.100(2011.2 京阪奈情報教育出版)

【お酒】1083.恵那山 純米吟醸 300ml [21.岐阜県の酒]

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はざま酒造株式会社
岐阜県中津川市本町四丁目1番51号

精米歩合 50%
アルコール分 16度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
300ml
(以上、ラベルより転記)




はざま酒造さんのお酒は、かつて恵那山の本醸造カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米吟醸酒です。
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純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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あれ?
フレッシュな風味がありますね。
もしかして、生貯蔵酒でしょうか?
吟醸香は、フルーティーな香りをほんのりと感じます。

うまみはやや濃いめです。
お米のうまみがしっかりしています。
それに、軽い苦みが少しはっきりしています。
キレはよいみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さも感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
でも決してべとつかない、さらっとした甘みです。


米のうまみと甘みとを、軽い苦みと酸味とが引き締める、やや濃醇で爽快ちょい苦やや甘口のお酒でした。
酸味と共に、フレッシュさがさわやかな感じをもたらしてくれているようでした。
甘めではあるものの、酸味が鋭く、しかも軽い苦みがあることから、引き締まっているように感じました。

【お酒】1082.三諸杉(みむろすぎ) 菩提酛 純米酒 300ml [29.奈良県の酒]

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今西酒造株式会社
奈良県桜井市大字三輪510

■原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)
■アルコール度/16度
精米歩合の表示なし
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




大神神社のお膝元に蔵を置く今西酒造さんのお酒は、かつて三諸杉(みむろすぎ)のカップ酒(普通酒)をいただいております。
今日いただくこのお酒は、“菩提酛(ぼだいもと)”を使用して造られた純米酒なのだとか。
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精米歩合が表示されておりませんでした(蔵元さんのWebsiteでは70%と紹介されておりました)。
純米酒には精米歩合の制限はありませんが、それを表示する必要はありますので(※1)、これはルール違反でしょう。


細かいことを指摘するのはこのくらいにして、本題に入ります。

菩提酛とは、「室町時代中期に、奈良市の郊外にある菩提山正暦寺において創製された酒母で、現在普及している速醸酛や生酛系酒母の原型であると考えられている。」とのこと(※2)。
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“酒母(しゅぼ)”すなわち“酛(もと)”の意味についてはかつてこちらで触れておりますが、要するに、酵母の培養液のことです。
日本のお酒は、麹が出す糖化酵素が米のデンプンを糖に変え、その糖を酵母がアルコールに変えることで造られます。
この酒母(酛)と、麹、蒸米(掛米)、そして水をタンクの中へ仕込み、上記2つの変化を同時に進行させて(並行複発酵)お酒を造るのですが、その発酵を一気に進めるためにあらかじめ酵母を培養しておくのです。

そしてこの菩提酛こそが、今日において一般的に採用されている酒母の製造方法(速醸酛や生酛、山廃酛など)の原型と言えるのだそうです。


菩提酛には、「①清酒製造は通常冬場に行われているが、菩提酛は温暖な環境で製造される。」ことと共に、「②清酒の酒母の原料米はすべて蒸してから使用されているが、菩提酛では生米を使用し、そこに少量の飯米を加えて乳酸発酵を行う。この乳酸発酵酸性液を「そやし水」と呼び、この水を仕込み水として利用している。」(※2)という点に、今日における酒母製造過程とのちがいがあるそうです。

すなわち、菩提酛を製造する工程は、
Ⅰ:“そやし水”を作る工程、すなわち生米と蒸米とを水につけて乳酸菌を育て、乳酸発酵によって酸性になった水を作り出す工程と、
Ⅱ:そのそやし水を仕込水として用いて、酵母を培養する工程
との2工程に分かれているのです。 


これって要するに、現代において広く用いられている速醸酛と同じ原理ですね。

速醸酛は、乳酸発酵の過程を省略して酵母の育成に必要となる乳酸を添加し、酵母が育ちやすい環境を整えておく培養方法です。
明治四二年、江田鎌治郎氏は、生酛づくりの要諦はすっぱくなることであることを見いだし、仕込みのときに乳酸を加え、さらに酵母も同時に加えて、酒母の速成を考案した。これを速醸酛と称した。」(※3)という文献の記述にあるとおり、この速醸酛は江戸時代からずっと続いてきた乳酸発酵を伴う生酛の造りを簡略化した手法であるとあたしゃずっと思っておりました。
しかし、どうやら中世における酒造りでは、速醸酛と同じことをやっていたようですね。

ただし、「この酒母造りは乳酸発酵をさせるという点では生酛系酒母の原型ともいえるし、乳酸を含む水を仕込水として使う点では速醸酒母の原型ともいえよう。」(※4)という記述もあったことから、どうやらこの点が、菩提酛をもって速醸酛のみならず生酛系酒母の原型でもあると評する所以のようです。


その菩提酛ですが、「明治になって乳酸を使用する技術が考案され、酒母の製造操作が容易、且つ安全、しかも短期間に製造できる速醸酛が開発され、この酒母が全国に普及したことにより菩提酛は大正時代に姿を消したとされていた。」(※5)そうです。
乳酸発酵を酛造りの工程から切り離して、その代わりに工業的に作り出した乳酸を使用するようになったわけですね。

しかしその後、「 最近になって筆者らは、この幻の酒母が、奈良県内の或る酒造場で昭和の初期から連綿と、御神酒用濁酒(総米1トン)の製造に育成され利用され続けていることを知り実態調査を行った。」(※5)結果、この濁酒の醸造過程において「酒母育成に際しては、酒蔵に住み着いている野生化した酵母と乳酸菌を利用する古典的な手法が使われており、「御酒之日記」や「童蒙酒造記」に記載されている菩提酛製造法の原形をよく保っていることが確認された。」(※6)とのこと。

そして「 この幻となっていた菩提酛を用いた清酒(菩提酛清酒)を再現、復活させるため、1996年に奈良県内の酒造会社有志・正暦寺・奈良県工業技術センターをメンバーとして「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」が立ち上げられた。また、関係機関・関係者の協力を受けながら活動を続け、1998年に菩提酛清酒を再現、復活することができて、現在商品化している。」(※2)そうです。

この菩提酛を使用したお酒については、「まず菩提酛という酒母を正暦寺が生産し、それを参加酒造メーカーが買い取り、それぞれの米、水、麹を使ってそれぞれ独自の最終製品として仕上げてゆくというのが奈良菩提研が考えた全体的な生産システムである。」(※7)との記述が示すとおり、(各蔵元さんで独自に菩提酛を造るわけではなくて)正暦寺で造られた菩提酛を使って奈良県内にある複数の蔵元さんで醸造されたお酒が各種販売されているようです。


今回入手した文献には、菩提酛復元の理念やその苦労、それになぜ正暦寺が菩提酛を造って各蔵元へ頒布しているのかといったことが紹介されておりました。
しかし、これらをここで紹介するとものすごく冗長になってしまいそうですので、次回、他の蔵元さんが造った菩提酛使用酒を入手した際のネタとしてとっておくことにいたします。
どうせまとめるのがめんどくさくなったんだろ!


それでは、その菩提酛を使用して造られた今西酒造さんの純米酒をいただきます。

菩提酛を使用したお酒の味については、「乳酸菌が菩提酛の特徴をかもし出します。甘酸っぱい酸味が、最後まで酒の風味として残るのです。」(※8)と評する記述が文献にありました。
そこで、燗にすることで酸味が際立って飲みにくくなってしまうことを警戒し、まずは冷や(常温)でいただいてみたいと思います。

お酒の色は、黄色がけっこうはっきりしておりました。
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香りはとくに感じませんでした。

うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみが豊かです。
それに、香ばしさを少し感じます。
それでいて、苦みや雑味はありません。
しかもキレがよく、クドさはありません。

酸味はやっぱりはっきりしています。
すっぱさを感じるものの、鋭さはそれほどでもないですね。
むしろ酸味自体に深みを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとした甘みをやや強めに感じますが、酸味に隠れているみたいです。


深みのある酸味が豊かな、やや濃醇で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
そやしの工程で造られた乳酸の影響ですっぱいのかと思ったのですが、むしろ深みのある酸味を感じました。
たくさんは飲めないかもしれませんが、味わい深くておいしいお酒でしたよ。
酒ってのは、ふつうはそんなにたくさん飲まないものなんだよ!




ここで、燗にしてみましたよ。
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燗にすると、お酒の甘い香りがフワッと漂ってまいりました。
また、酸味に鋭さが少し出て、うまみよりも目立ってきたようです。
そのせいか、口当たりが少しスッキリしたように感じました。
燗にすると雑味が出るのではないかと懸念しておりましたが、それは杞憂でした。

酸味をよりはっきりと味わいたいならば燗で、味のバランスを愉しみたければ冷や(常温)で、といったところでしょうか?


(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)3(1)
(※2)松澤一幸『菩提酛のメカニズムと微生物の遷移』p.473(生物工学会誌 89巻8号 p.473-477 2011 日本生物工学会)
(※3)秋山裕一『日本酒』p.68(1994.4 岩波新書)
(※4)『最新酒造講本』p.106(1996)((※7)p.6に掲載されていた引用を再引用)
(※5)松澤一幸・山中信介・坂井拓夫・寺下隆夫『菩提酛を用いた濁酒製造過程における成分の経時変化と微生物の消長』p.734-735(日本醸造協会誌 97巻10号 p.734-740 2002.10)
(※6)(※5)p.735-736
(※7)住原則也『清酒のルーツ、菩提酛(ぼだいもと)の復元-奈良の「産」「官」「宗」連携プロジェクトの記録-』p.22(アゴラ(天理大学地域文化研究センター紀要) 第4号 p.1-27 2006)
(※8)山田二良『奈良の銘酒』p.116(2011.2 京阪奈情報教育出版)