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【お酒】682.寿萬亀(じゅまんがめ) カップ [12.千葉県の酒]

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亀田酒造株式会社
千葉県鴨川市仲329

原材料名 米・米こうじ・醸造アルコール
原料米 国産米100%
アルコール分 15度
180ml詰
(以上、フタより転記)




亀田酒造さんのお酒は、かつて寿萬亀の冷酒(普通酒)をいただいております。
今日いただくこのお酒は、普通酒のカップ酒です。


このカップ酒ですが、たしか数年前までは青色で印刷されていたはずです。
その後鴨川へ行く機会がなく、しばらくこのお酒を見ることもありませんでした。

久しぶりに安房鴨川駅前のスーパーで見たところ、オレンジ色になっていたのでびっくりしました。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

写真ではわかりにくいですが、お酒の色はちょっと茶色がかっているみたいです。
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うまみはやや濃いめです。
酒臭さよりも、熟成感のほうがはっきりしているみたいです。
この熟成感は厚みはないものの、シャープな感じがします。
それにこのお酒ですが、苦みがけっこうはっきりしています。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し目立つくらいです。
刺激やピリピリ感はないみたいです。

甘みはややはっきりしています。
ですが、苦みに負けているように思いました。


熟成感と苦みとが味を引き締める、やや濃醇でほろ苦口のお酒でした。
この味わいは、好みの分かれるところだと思います。
もしかしたら、海産物に合わせた味わいなのでしょうか?

【お酒】681.本醸造原酒 蔵子 200ml [02.青森県の酒]

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六花酒造株式会社
青森県弘前市大字向外瀬字豊田217-1

200ml詰
アルコール分 18度
原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール
精米歩合 65%
(以上、ラベルより転記)




六花酒造さんのお酒は、かつて本醸造の津軽じょっぱりアルミ缶と、吟醸酒のオリジナルカップ「こけし」普通酒のじょっぱりカップ、そして特別純米酒のたか丸くんカップをいただいております。

今日いただくこのお酒ですが、ラベルのどこを見ても、本醸造の表示も原酒の表示もなされておりません。
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しかし、蔵元さんのWebsiteでは、このお酒を本醸造原酒として紹介されていました。
特定名称を名乗ることができるのはラベルにその旨の表示をしてこそではないか?、とも思うのですが、ここは細かいことをいちいち指摘して噛み付くようなことはやめて、蔵元さんのおっしゃることに素直に従っておこうと思います。
十分に噛み付いているじゃねぇか!


上記Websiteによれば、常温またはロックがおすすめとのことでした。
ということで、ここは常温でいただいてみたいと思います。

お酒の色は、わずかにわかる程度でした。
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これは甘いな。

甘みがはっきりしています。
でも、安い酒にありがちなべとつきや、とろみのような舌触りはないですね。

うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
酒臭さはなくて、やわらかいうまみを感じます。
それとともに、苦みを少し感じますね。

酸味はひかえめでした。
すっぱさをちょっと感じる程度でした。
刺激やピリピリ感はありませんでした。


甘みの中に、やわらかいうまみと苦みとを感じる、甘口のお酒でした。
甘めで、しかも苦みがちょっとあるので、クドさを少し感じました。


もしかして、ロックにすると味が変わるのかもしれません。

ということで、やってみました。
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ありゃ。
ロックにすることで、苦みは抑えられました。
でも、その分甘みがよりいっそう際立ってきましたよ。

甘口のお酒がお好きな方にはおすすめです。
私としては・・・。

【お酒】680.雲乃井 純米酒 ひやおろし カップ【追記あり】 [18.福井県の酒]

【2015/09/30追記】
この記事は、“生詰には“要冷蔵”の表示をしなければならない”という、私の誤った認識に基づくものでした。
しかしその後、生詰については、「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」には該当しないということに気づきました。

それ故、このお酒のラベルに記載されていた“加熱処理済み”の文字は、もしかしたら生詰で実施される上槽後の火入れ(いわゆる一回目の火入れ)のことを指している可能性も出てきました。
こう判断するに至った理由については、この記事のコメント欄におけるやりとりをご覧ください。


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株式会社吉田金右衛門商店
福井県福井市佐野町21-81

アルコール分 17度
原材料名 米(国産)米麹(国産米)
精米歩合 68%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




先日いただいた関西の本醸造ひやおろしカップとともに、福井県のアンテナショップ“食の國 福井館”で入手したものです。


このお酒のカップは、ちょっと変わった形をしています。
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このカップには、かつて越の寒中梅をいただいた際に出会ておりました。
なんでも、“TGカップ”なる名前なのだとか。

どういう意味なのかわからなかったのですが、“TGカップ”というのは、どうやら容器のメーカーさんがつけた、このカップの製品名だったようです。


ところで、このカップ酒には、ひやおろしと銘打たれています。
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ひやおろしの意味については、先日、関西の本醸造ひやおろしカップをいただいた際に、文献の記述をもとに検討いたしました。

その結果、以下の条件を満たしたお酒が、ひやおろしと名乗ることができるのだと結論づけました。
(1)冬に仕込んで春にしぼり(寒造りであること)、ひと夏のあいだ貯蔵していること
(2)秋の、それも貯蔵している酒の温度と外気温とが同じになった頃に出荷すること
(3)生詰(出荷前に火入れをせずに瓶詰めすること)であること

ところが、このお酒のラベルには、“加熱処理済み”の表示がなされていたのです。
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加熱処理済みということは、上記(3)の条件を満たしていないということですよね。
そのようなお酒がひやおろしと名乗ることは、はたして許されるのでしょうか?


ここからは、完全に私の推測です。

ひやおろしの本質的特徴は、春に搾ったお酒をひと夏越して秋まで貯蔵することで、いわゆる“秋上がり”や“秋晴れ”といったまろやかさを楽しむことができることにあると思います。

一方、上記(3)の生詰については、なんらかの目的をもって敢えて生詰にしているのではなくて、涼しくなった頃に製品化することから製成後に火入れをしなくても保存が可能であるという便宜的理由によるのではないかと思うのです。

それ故、上記(1)(2)の条件を満たしていればひやおろしの特徴を出すことが出来るのであって、(3)は結果として生詰のものが多いという程度のことに過ぎないのではないでしょうか。

よって、たとえ出荷前に火入れ(加熱処理)をしてあっても、秋上がりの味わいがそのお酒に現れていれば、ひやおろしを名乗ってもかまわないのではないかと考えます。

実際のところ、今の時期、酒屋さんの店頭では、多くのひやおろしのお酒が冷蔵保存することなくそのまま陳列されていますよね。
これらはきっと、生詰ではなくて、火入れしてあるものなのでしょう。
その理由については、こちらで触れております。


この結論は文献等の根拠に基づくものではなく、完全に私の推測です。
それ故、これが正しいかどうかはわかりません。
これについては、その当否について皆様のご意見をいただければ幸甚です。



そんなひやおろしについて考えさせてくれたこのお酒をいただきます。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、なかなかよい色をしています。
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うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがしっかりしています。
それとともに、わずかですが熟成感を感じます。
一方で、苦みや雑味はないみたいです。

酸味はけっこうはっきりしています。
さわやかさとともに、すっぱさがちょっとあるようです。
それに、この酸味には深みを感じます。
しかし、刺激やピリピリ感はありませんでした。

甘みはひかえめでした。


酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみとともに、深みのある酸味を感じることができる、やや濃醇で旨辛口のおいしいお酒でした。
こんなに濃いのに、雑味がなく、しかも酸味にトゲトゲしさがありません。
これはまさに、ひと夏を越えて熟成されたことで生じた“秋上がり”、“秋晴れ”の味わいではないでしょうか。
この味わいは、たとえ生詰でなくても出せるのですね。



【お酒】679.鏡山 純米吟醸 300ml [11.埼玉県の酒]

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小江戸鏡山酒造株式会社
埼玉県川越市仲町10-13

原材料 米(国産)米麹(国産米)
アルコール分 15度
精米歩合 50%
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




小江戸鏡山酒造さんのお酒は、かつて時の鐘カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米吟醸酒です。


純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ちょっとはっきりしていました。
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吟醸香ありますね。
ややはっきりしていて、口の中から鼻へと抜けていきます。

うまみはやや淡めです。
酒臭さはまったくなくて、やわらかいうまみそのものです。
それでいてキレがよく、スッと引いていきます。
それに、苦みや雑味はまったくありません。

酸味はひかえめでした。
すっぱさをほんのわずかに感じる程度でした。
刺激やピリピリ感はまったくありませんでした。

甘みはひかえめですが、その存在はわかりました。
ほんのわずかにあって、コクを添えているようです。


吟醸香とともにやわらかいうまみを楽しむことができる、やや淡麗でやや辛口のお酒でした。
雑味がなく、しかも酸味がひかえめなためか、かなりきれいな味わいに仕上がっていると思います。
こういう上品な味わいのお酒も、たまにはいいかなと思います。

でも、オイラには似合わないな。

【お酒】678.福正宗 純米にごり酒 しろき 300ml【追記あり】 [17.石川県の酒]

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株式会社福光屋
石川県金沢市石引二丁目8-3

原材料名/米、米麹
精米歩合/70%
アルコール分/16度
原料米/全量契約栽培米・特別栽培米使用 フクノハナ 十割(兵庫県豊岡市出石町産)
製造法/純米
日本酒度/±0
酸度/2.0
飲み方/ロック◎ 冷やす◎ 常温〇
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




福光屋さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
加賀鳶(かがとび) 純米&純米吟醸 飲み比べ
福正宗 純米 黒ラベル フクカップ
加賀鳶 山廃純米 超辛口
黒帯 悠々 特別純米
福正宗 純米 ひゃくまんカップ 辛口&旨口 飲み比べ

今日いただくこのお酒は、純米のにごり酒です。


オリは瓶の底から1.5cmくらいでした。
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このお酒ですが、ラベルには“発泡性”であるとか、“炭酸ガス含有”といった表示がなされています。
しかし、生酒である旨の表示はなく、要冷蔵の文字もありません。
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生酒である旨の表示はあくまでも任意ですが(※1)、生酒や生詰のように「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」にであれば、「「要冷蔵」、「冷蔵庫に保管して下さい。」、「冷やしてお早めにお飲みください。」等の消費者及び流通業者の注意を喚起するための表示」を「保存若しくは飲用上の注意事項」として表示する必要があります(※1)。
その表示がないということは、このお酒はきっと生酒や生詰ではないのでしょう。

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【2015/09/30追記】
生詰について「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」に該当すると書きましたが、これは誤りでした。(これに該当するのは生酒のみでした。)
生詰の場合は、「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」に該当せず、よって「要冷蔵」などの「保存若しくは飲用上の注意事項」を表示する必要はないと考えます。

清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)5(6)の生貯蔵酒の定義には、「生貯蔵酒の用語は、製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、製造場から移出する際に加熱処理した清酒である場合に表示できるものとする。」とあります。
これから判断するに、製成後とは完成後(私は勝手にそう思っていました。)ではなくて、上槽後(お酒をしぼった後)という意味であろうと考えられます。
ということは、生詰は製成後に一回火入れをしていますので、この「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」には該当しないことになります。

私の認識が誤っていたことをお詫びして、ここで訂正させていただきます。
申し訳ございませんでした。
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一方で、蔵元さんのWebsiteによれば「お米の旨味がたっぷりのにごり酒を瓶詰めした後、さらに酵母によって瓶内醗酵させ、炭酸ガスを封じ込めました。」と紹介されています。

ということは、瓶詰めしたのち、酵母に炭酸ガスを出させてから火入れをしているということでしょうか?
というか、火入れしても、いったん発生した炭酸ガスは残るのでしょうか?
あるいは、加熱によって炭酸ガスが膨張し、瓶ごと爆発することはないのでしょうか?



このお酒には、ちょっと気になる表示がなされていました。
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開封時にお酒が噴き出すことがありますので注意して開けてください。」って書いてありますよ。

これを読んで、かつて探偵!ナイトスクープで“るみ子の酒”の活性生原酒を爆発させてムダにするネタ(←音が出ます)を放送していたのを思い出しました。
もしかしてこのお酒も、開栓と同時に全部噴き出してしまうのでしょうか?

そう思いながら栓をよく見ていると、中央部分がなんとなく盛り上がっているではありませんか!
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普通のお酒の栓はこちら。
上の写真よりも平らですね。
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これはガスをちょっとずつ抜きながら開けないと、大変なことになるかもしれません。




























あらら・・・・・。

簡単に開いてしまいました。
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栓の裏を見ると、中栓がついていました。
これのせいで少し盛り上がっていただけだったのですね。
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いただく前からビクビクさせられてしまいました。
オマエがヘタレだからだよ!


安心したところで、そろそろいただいてみたいと思います。
冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

グラスに注ぐと、見た目はちょっと濃いめに作ったカルピスといったところでしょうか。
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口に含むと、ほんのわずかにシュワっと感じました。
オリのざらつきもほんのわずかでした。

うまみはそれほど濃くはないみたいです。
お米のうまみそのものですが、かなりさらっとした感じです。
吟醸酒のような苦みを少し感じました。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさを少し感じる程度でした。
刺激やピリピリ感はありませんでした。

甘みはややひかえめです。
さらっとした甘みをわずかに感じる程度でした。


さわやかな口当たりの、爽快やや辛口のお酒でした。
にごり酒ではあるものの、甘みが少なく、しかもさらっとした口当たりでした。
甘くないカルピス(濃いめ)といった感じでしょうか。
口当たりがよいので、飲みすぎに注意する必要があります。
オマエの場合はいつもだろ!

私としては、もっとうまみが濃くてもよいのではないかと思いました。


(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)5(5)
(※2)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)3(3)、酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準 2(3)ハ

【お酒】677.大樽 上撰 カップ [30.和歌山県の酒]

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中野BC株式会社
和歌山県海南市藤白758-45

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




昨日の長久上撰カップに引き続いて、今日も中野BCさんのお酒をいただきます。


昨日の記事では、中野BCさんは梅酒や梅機能性食品、化粧品など梅を使った製品を広く扱っていらっしゃることを紹介しました。
このうち、梅酒の商品開発について、昨日紹介した文献に興味深い記述がありました。

チョーヤ梅酒や宝酒造など梅酒を手掛ける大手と同じ土俵で勝負しても勝ち目は薄いため、中野専務は「カクテル梅酒」という新ジャンルの商品の開発に踏み切った。
カクテル梅酒とは、梅酒にゆず、レモン、シークァーサー、イチゴなどの果汁をブレンドしたもの。非加熱のストレート果汁を使い、梅酒と果汁の風味が調和するよう何度も試作を繰り返した。」(※1)

私はこの記事を読んで、かつてhatumi30331さんがブログで中野BCの“梅酒祭り”を紹介なさっていた際に、いろいろな梅酒の写真や、試飲できる梅酒のメニューなどが掲載されていたのを思い出しました。
そのメニューによれば、果汁を混ぜたものだけでなく、緑茶梅酒山椒梅酒高麗人参梅酒なんてものあるのだとか。
さらには、“赤い梅酒”なる、百恵ちゃんが飲んでいそうなものまでありましたよ。



話をお酒に戻しましょう。

このお酒ですが、昨日の長久と同じく上撰と銘打たれています。
ですが、品質表示を見ても、両者のちがいはわかりません。
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スーパーでは、たしかこちらのほうが20円くらい安く販売されていたと記憶しています。

長久とは、いったい何がちがうのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、長久と同じくあまり目立たない程度でした。
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大樽という名前からして樽酒なのかとも思ったのですが、木香はありませんでした。
一方で、長久よりもアルコールの香りがやや強めのように思いました。

うまみは淡めでした。
長久よりも淡いかもしれません。
酒臭さはほとんどないみたいです。

酸味はややはっきりしています。
でも、長久ほどではないかもしれません。
すっぱさとさわやかさとが少しだけあって、それにちょっとピリッと感じました。

甘みはややはっきりしていますが、長久よりはかなりひかえめでした。


淡麗やや辛口のお酒でした。
甘みはあるものの長久より弱く、一方でアルコールの香りがはっきりしていたことから、やや辛口に感じました。
これは完全に私の予想ですが、こちらのほうが醸造アルコールの添加量と加水量とが多いことで、度数は同じでも淡く仕上がっているのではないでしょうか。


(※1)吉岡陽『元気なオーナー企業 第5回 【中野BC】カクテル梅酒でニッチ開拓 縮む市場から10年で脱却』p.51(日経トップリーダー 2012年9月号 日経BP社)

【お酒】676.長久 上撰カップ [30.和歌山県の酒]

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中野BC株式会社
和歌山県海南市藤白758-45

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)



お酒の蔵元さんと言えば、“■■酒造”とか、“▲▲醸造”などといった名前のところが多いですね。
しかし、今日いただくこのお酒の蔵元さんは、“中野BC”とおっしゃるのだとか。
これについて文献では、以下のように紹介していました。

中野BCのBはバイオケミカルCはクリエーションを意味する。化学品メーカーのような社名だが、10年前は中野酒造で、かつては和歌山県でトップの清酒メーカーだった。」(※1)


名前を変えたのは、どうやら清酒事業以外にも手を広げられたことが要因のようです。
この点について、文献には以下のような記述がありました。

創業(昭和7年)はしょうゆの製造販売から始まり、焼酎を手がけたのが昭和24年。次いで、清酒を製造販売したのが昭和33年と、年商36億円、従業員200人の中堅企業ではあるが、多彩な顔をみせている。
昭和42年にはみりんの製造販売にも進出、ブランド名「宝来」を販売し続けている。梅果汁の製造販売(別会社の富士食研株式会社)を昭和46年に開始し、54年には梅酒にまで事業領域を広げた。」(※2)

35種類のバラエティーに富んだ梅酒のほか、梅を使った機能性食品化粧品を手がける。加工食品の原料として使われる梅エキスでは国内シェア80%を誇る。」(※1)


かなり手広くやっていらっしゃるようですが、それにはやはりわけがありました。
同じ文献では、以下のように記述していました。

日本酒の市場規模は1970年代半ばにピークに達し、90年代に入ると縮小が加速。現在は最盛期の3分の1にまで落ち込み、いくつもの蔵元が廃業に追い込まれている。逆風の中、中野BCは約10年かけて事業構造を転換し、梅酒・梅加工品メーカーに脱皮した。
清酒が主力だった2003年9月期の売上高は約29億円だったが、12年9月期は約32億円へと拡大した。現在、清酒・焼酎は売上高の約2割にとどまり、梅酒や健康食品といった新分野の商品が売り上げの核を担っている。」(※1)

そういえば、かつて愛知県のお酒を紹介した際に、知多半島における中国酒の二大醸造元であった盛田家中埜家が多角経営で経済の変動を乗り切っていた旨の記事を紹介したことがありました。

このことを知ってかどうかはわかりませんが、清酒の製造に固執することなく新分野を開拓し続け、一方で清酒の製造もちゃんと続けていらっしゃる中野BCさんには、頭が下がります。


いつもの悪い癖が出てしまいました。
そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからないくらいでした。
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うまみは淡めでした。
酒臭さはほとんどなく、むしろやわらかいうまみです。
しかし、燗が冷めてくると、わずかですが酒臭さ(←ほめ言葉です)を感じました。
苦みや雑味はありませんでした。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさとさわやかさとを感じる酸味でした。
それに、わずかにピリッと感じました。

甘みはややはっきりしています。
でも、クドさのない、さらっとした甘みです。


さわやかな酸味とさらっとした甘みとがよく合う、淡麗やや甘口のおいしいお酒でした。
やはり、甘みには適度な酸味が合いますね。
食事ともあわせやすいと思います。


(※1)吉岡陽『元気なオーナー企業 第5回 【中野BC】カクテル梅酒でニッチ開拓 縮む市場から10年で脱却』p.50(日経トップリーダー 2012年9月号 日経BP社)
(※2)上妻英夫『焼酎・清酒から梅酒まで 商品開発力を発揮する中野BC “ニッチトップ”を目指す成長企業の実相』p.48(総合食品 2010年11月号 株式会社総合食品研究所)

【お酒】675.菱正宗 超辛口純米酒 300ml [34.広島県の酒]

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久保田酒造株式会社
広島県安佐北区可部2-34-24

原材料 米・米麹
原料米 中生新千本 国産(広島県産米)100%使用
精米歩合 8割
アルコール分 17度以上18度未満
日本酒度 プラス12
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




今日は、広島の“超辛口”と銘打たれたお酒をいただきます。


このお酒ですが、原料米に中生新千本(なかてしんせんぼん)なるお米を使っているようです。
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この中生新千本について、文献では以下のように紹介していました。
中生、耐倒伏性に強い短稈である。食味の良い多収のの品種として昭和40年代に普及したが、作付品種の早生化などにともない減少している。心白はほとんどでないが、低タンパク質で酒米としての需要がある。」(※1)

そういえば、米にタンパク質が多いと、酒になった際にアミノ酸が多すぎて、味が重くなってしまう。」(※2)という文献の記述をかつて紹介したことがありました。

しかし、心白がほとんど出ないということは、酒米としてはどうなのでしょうか?

一方、別のある文献では、この中生新千本について「掛米としての適性が高い」(※3)と紹介していました。
これは私の推測ですが、この文献の記述は、心白がないと麹の破精込みがうまく行きにくいが故に、麹米ではなくて掛米として使用することに向いているという意味なのでしょうか?

結論を出せないまま、この点についてはこれで終わらせていただきます。


このお酒の日本酒度は、プラス12度なのだとか。
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これは完全に私の感想ですが、日本酒度って、マイナスの表示については概ね信用できる(マイナスが大きければほぼ甘いと考えてよい)ものの、プラスの表示についてはたとえプラスが大きくても辛く感じない場合が多々あって、あまり信用できないと思うんです。

日本酒度のプラス側のことについては、かつてこちらで紹介した文献の記述にも書いてありましたので、合わせてご参照ください。



恐竜ほどの脳みそしかない私の頭の中でいろいろと考えていても、下手の考え休むに似たりです。
そろそろ実際にいただいてみて、味を確認してみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ無色でした。
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一口含んで、アルコールの香りが強めであるように感じました。
純米酒で17-18度ということは、原酒なのでしょうか?

このお酒ですが、酸味が強烈でした。
かなりすっぱいですし、それに少しピリッと感じました。
これは口の中に残る酸味ですよ。

うまみは濃くはないですが、しっかりしていました。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみが口の中に広がります。
ですが、キレはよく、スッと引いていきます。
それに、苦みや雑味はないみたいです。
ほんのかすかですが、木香があるかもしれません。

甘みはひかえめでした。
でも、ドライな感じはしませんね。
ほんのわずかに存在するみたいです。


酸味が強烈な、たしかに辛口のお酒でした。
こちら以来の、ひさびさかもしれません。
タンパク質の少ないお米を使っているはずなのですが、いったいどういうことなのでしょうか?
それに、この酸味に合わせるには、いったいどんな料理がよいのでしょうか?
謎だらけのお酒でした。


(※1)副島顕子『酒米ハンドブック』p.51(2011.7 文一総合出版)
(※2)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ!』p.21(2007.1 新風舎)
(※3)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.134(2000.3 養賢堂)

【お酒】673.674.磐乃井 米酒酒 純米酒&大吟醸飲み比べ [03.岩手県の酒]

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磐乃井酒造株式会社
岩手県一関市花泉町涌津字舘72




今日は、岩手県の南部に位置する磐乃井酒造さんのお酒を二種類飲み比べてみたいと思います。
いずれも岩手県のアンテナショップ“いわて銀河プラザ”にて入手したものです。


その前に、磐乃井酒造さんの紹介から。

手元の文献には、磐乃井酒造さんの発足について以下のように記載してありました。
磐乃井酒造は、大正六年、花泉地方の七カ村の百七十五人(現在は二百五人)が株主となり設立された。当時は各地でどぶろくの密造が盛んだったころ。密造の防止を主な目的に、公共性を帯びた地場企業として発足したのである。」(※1)

どぶろくの密造を防止することって、わざわざ酒造会社を設立してまでも成し遂げる必要があるほど重要なことだったのでしょうか?


これは私の推測ですが、当時は国家財政に占める酒税の割合、とりわけいわゆる日本酒に由来する酒税の割合が高かったことから、その徴税を確実にする必要性は今日よりもはるかに高かったのではないかと思います。
また、日露戦争で賠償金を獲得できなかったことも、明治末期から大正期にかけての徴税の強化に拍車を掛けたのかもしれませんね。

推測と言っても、決して何の根拠もないわけではありません。
当時の酒税に関する状況について紹介した記述を読んで推測したわけです。
その記述を、ここで紹介しておきます。

明治二十年の全国の総税収は六千六百万円。このうち二〇%に当たる一千三百万円が酒税だった。五郷(兵庫県の灘五郷のこと;ブログ筆者注記)の酒はこの一割以上を占めている。五郷が納税分割をすると、全国の酒屋が右へならえ・・・・・・。となると二〇%の酒税はさっぱり。政府は予算を組めず、日本国中が上を下への大騒ぎ・・・・・・。こんな予測もなりたつような当時だった。
総税収に対する酒税の比率はそのごさらに高まった。明治三十年は三三%、四十年は二五%。年によって多少の差はあったが、明治期を通じて大体二七、八%といったところだ。酒税以外の財源の大どころは地租(今でいう固定資産税か:ブログ筆者注記)である。明治二十年六四%、三十年四〇%、四十年二七%。この方は年を経るごとに低くなったが、それでも二〇%以上。酒と米(土地)とで日本の財政をささえていたことになる。」(※2)

日本酒の税収は、近代の大正一五年度では、酒税収入全体の八〇%もあったが、現代の二五年度(昭和25年度:ブログ筆者注記)では三八%にすぎず、いっぽうで焼酎とビール、その他の税収が大きく伸びている。」(※3)
日本酒は、平成一五年度には単式焼酎(単式蒸留器で蒸留した焼酎、焼酎乙類あるいは本格焼酎ともいう)、一六年度には連続式焼酎(連続式蒸留器で蒸留した高純度アルコールに水を加えて造る焼酎、焼酎甲類ともういう)、一八年には発泡酒、一九年度にはリキュールと、連続的にほかの酒類にも追い越されてしまい、平成二四年度では第六位の下位に沈み、酒税収入縮小の主要因となっている。」(※4)


今日では国税全体に占める割合は数パーセントに過ぎず、そのうち清酒が占める割合は半分にも満たないようです。
しかし、それでもお酒の醸造は依然として免許制であって、たとえ自家用であっても個人が勝手にどぶろくを造ることは認められておりません。



いかんいかん。
話が完全にそれてしまいました。
それではまずは、純米酒からいただいてみたいと思います。




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米酒酒(まいしゅしゅ) 純米酒
アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)
精米歩合 65%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ちょっと着いているのがわかる程度でした。
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杯に注ぐだけで、酒臭い(←ほめ言葉です)香りがフワっとしてきます。
それに、ほんのわずかですが、木香(樽香)のようなものを感じました。

うまみはやや濃いめで、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみと共に、お米のうまみも感じます。
苦みや雑味はないですね。

酸味はけっこうはっきりしています。
お酒のすっぱさをはっきりと感じました。
刺激やピリピリ感はないみたいです。

甘みはひかえめです。
ほんのわずかに感じる程度でした。


酒臭さ(←くどいようですが、ほめ言葉です)とともにお米のうまみを感じることができる、やや濃醇で旨辛口のおいしいお酒でした。
酸味もあるので、決して飲みやすくはないですが、飲み応えがあっておいしいと思います。
おしゃれなラベルを見て「かわいい~!」なんて思ったら、痛い目にあうことでしょう。
これ以上日本酒離れを加速させないためにも、もっと力強いラベルのほうがよいのではないかと思いました。
蔵元さんにとっては、余計なお世話だろうよ!





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米酒酒(まいしゅしゅ) 大吟醸
アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 50%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


こちらは醸造アルコールが添加されている大吟醸です。
大吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、純米酒よりも淡いですね。
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吟香はそれほど強くはありませんでした。
お酒を飲み込んだ後で、フルーティーな香りがかすかに鼻へ抜けていく程度でした。

うまみはやや淡めでした。
こちらは酒臭さがひかえめで、むしろやわらかいうまみを感じました。
ですが、飲んでいるうちに酒臭さをちょっと感じるようになってきました。
苦みや雑味はないみたいです。

酸味は、ややはっきりしていました。
純米酒ほどではないものの、これもお酒のすっぱさが主な酸味でした。
刺激やピリピリ感はないですね。

甘みはこちらのほうがはっきりしています。
でも、それほど強くはなく、表に出で来ないような甘みでした。


お米のうまみに酸味がほどよい、やや淡麗で旨口のおいしいお酒でした。
大吟醸ですが、酸味がほどよく効いていてすがすがしいと思います。



(※1)岩渕公二『岩手の酒蔵』p.36(1998.10 岩手日報社出版部)
(※2)読売新聞阪神支局編『宮水物語-灘五郷の歴史』p.249-250(1966.12 中外書房)
(※3)鈴木芳行『日本酒の近現代史 酒造地の誕生』p.187(2015.5 吉川弘文館)
(※4)(※3)p.189

【お酒】672.榮川 純米酒 300ml [07.福島県の酒]

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榮川酒造株式会社
福島県耶麻郡磐梯町大字更科字中曽根平6841-11

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 65%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




「東北に酒あり」を宣伝文句になさっている榮川酒造さんのお酒は、かつて特醸酒(普通酒)のアルミ缶と、純米にごり酒のアルミ缶、そして白磁の瓶に詰められた本醸造“ぎょく”をいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米酒です。


ラベルには、“磐梯の名水仕込”である旨が書かれています。
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榮川酒造さんは、会津磐梯山の西側の麓に蔵を構えていらっしゃいます。
しかし、平成元年までは会津若松駅のすぐ近く(“富士の湯”という日帰り温泉がある辺りだと思います。)で酒造りをしていたそうです。

現在の蔵へ移ったのは、市街地での採水に限界を感じたからなのだとか。
磐梯山の麓でよい水を見つけることができたようですが、その水質の変化は出来るお酒の味にも影響を与えたのだとか。
このことについて文献では、以下のように紹介していました。

会津若松市内の酒蔵で使う水は、一般に浅掘りの井戸から取ったもので水質は中硬水だ。
ミネラル分の強いこの水に負けないように、しっかりしたもろみを造ることから、会津の酒はこくのある濃醇な酒になったのだろう。
その水が市内の都市化と共に水量も不足し、汚染も目立つようになった。
浅堀りの井戸ならもっと深く掘れば良い水が出るかといえばそうではない。
酒造りには適さない鉄分が多くなる。」(※1)

酒蔵が磐梯山の麓に移って一番変わったのは水だった。
仕込水が軟水になったのだ。
「酒が変わったと言われました。濃醇から口当たりのいい淡麗タイプになった。でも、日本酒の傾向は淡麗になってきている。お客さんの好みの変化に合わせるのが榮川だと思いました。」」(※2)


たしかに、これまでにいただいた榮川酒造さんのお酒は、どちらかといえば淡麗タイプでした。
はたして、今日いただくこのお酒も淡麗タイプなのでしょうか?

それをたしかめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ちょっと着いているのがわかる程度でした。
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おおっ!、こりゃすっぱいわ。
酸味がはっきりしています。
すっぱさがかなり豊かです。
でも、刺激やピリピリ感はないですね。

うまみはやっぱり淡めでした。
酒臭さはなく、お米のうまみをほんのりと感じる程度でした。
苦みや雑味はありませんでした。

甘みはひかえめで、ほとんど感じませんでした。


酸味がはっきりしている、淡麗すっぱ辛口のお酒でした。
これは完全に食中酒ではないでしょうか。
この酸味が、魚臭さや油っぽさをサッと流してくれそうです。
それに、雑味がないのできれいな味わいでした。

私としては、本醸造のほうが、酸味がひかえめでうまみがはっきりしていたのでおいしいのではないかと思いました。

(※1)石原信一『会津地酒紀行』p.94(2004.7 歴史春秋出版)
(※2)(※1)p.97