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【お酒】1233.越乃寒梅 普通酒 白ラベル 300ml [15.新潟県の酒]

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石本酒造株式会社
新潟市江南区北山847番地1

アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
300ml
(以上、ラベルより転記)




新潟県亀田町の地酒が「越乃寒梅」。
蔵元である石本酒造の所在地は新潟市であるが、亀田町に隣接している。
(中略)
この亀田郷は、戦前、梅の木が多く、梅干しの産地であったため、銘柄を越後の梅の「越乃寒梅」と名付けられた。」(※1)
という越乃寒梅をいただきます。




酒銘の由来はともかく、このお酒の存在は、酒好きの方々のみならず日本のお酒をあまりお召し上がりにはならない方々でもご存知なのではないでしょうか?

それもそのはず。
昭和40年代、甘口酒が全盛の時代に水のようにきれいな飲み口で“幻の酒”と謳われた「越乃寒梅」から始まったともいわれている地酒ブーム。」(※2)や、あるいは「昭和40年代、糖類を添加した甘口の酒が全盛の時代にも、良質の原料米を使い、高精白の切れ味のいい酒を造り続けたことで地酒ブームの発端ともなった蔵元。」(※3)という記述にあるとおり、新潟の酒のみならず、全国各地の地酒の代表格として有名なお酒だからでしょう。

たとえ地酒ブームの牽引役になったからといっても、それは決して、蔵元さんが“それ、うまいからじゃんじゃん飲んでくれ”といって仕掛けたものではありません。
それ故、急激に増えた需要に応えるために直ちに増産するなんてことは、地方の一蔵元としては到底無理な話だったわけです。
そのため、「越乃寒梅は一升瓶の普通酒で2000円台なのだが、首都圏の小売店では1万円以上で販売される例もあった。」(※4)り、あるいは「さらには、越乃寒梅の空き瓶に別の日本酒を入れて販売するという悪質な事件も多発した。」(※5)のだとか。
そしてそのクレームの矛先はすべて蔵元さんに向けられたことでしょうから、とてもご苦労なさったことでしょう。


今日いただくこのお酒は普通酒ですので、精米歩合の表示がありません。
(普通酒(正確には“特定名称酒でない清酒”)には精米歩合の表示義務がありません(※6))。
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ですが石本酒造さんでは、「普通酒である白ラベルでも精米歩合は59%。吟醸造りと言ってもいいほどの、高精白と造りを実践してい」(※7)て、「それをあえて普通酒(以前であれば二級酒)として売ることが、初代からの考え方。」(※5)なのだとか。

そしてその味わいは「「淡麗辛口」の代名詞的な味わいは、冷やで飲むと爽やかに、ぬる燗では味の広がりを感じられる。爽やかな口当たりと軽妙な後味が次のひと口を誘う。」(※8)とのこと。

そういうことであれば、普通酒ではあるものの、まずは冷やでいただきます。

お酒の色は、無色透明でした。
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うまみはやや淡めではあるものの、淡いなりにしっかりしています。
米のうまみが舌をピンと突いたあとで、口の中にうっすらと広がる感じがします。
苦みや雑味はまったくなく、それにキレがよくてスッと引きます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさが弱めではあるものの、弱いながらに鋭さを少し感じます。
それに、かすかにピリッと感じます。

甘みはややひかえめです、
でもゼロではなく、その存在はわかります。


淡めながらも米のうまみが口の中に広がる、やや淡麗でやや辛口の美味しいお酒でした。
まずは、普通酒なのに雑味がないのは、さすが銘酒と言われるだけのことはあるなと思いました。
一方でかすかにピリッと感じましたが、これはもしかしたら添加されたアルコールに由来するものでしょうか?
そのかすかなピリと酸味の鋭さ、それにキレのよさとで、かなりキリッと引き締まった味わいに仕上がっているようでした。
でもうまみがしっかりしていて、それにわずかな甘みがコクをそえていて、飲み応えを感じましたよ。



ここで、ぬる燗にしてみましたよ。
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ああ、そうか!

うまみの“ピン”が消えて、少しふっくらとしてまいりましたよ。
また、酸味の鋭さとかすかなピリとは残ってはいるものの、酸味自体に深みが出てまいりました。
その一方で、甘みは引っ込んだみたいです。
しかもキレのよさはそのままで、スッと引きます。

やや淡麗で旨辛口のおいしいお酒でした。
ぬる燗にしたほうがたしかにうまみが広がりましたが、キレのよさはしっかりと残っております。
一方で甘みが引っ込んだせいか、冷やよりも辛口に感じました。
でも、酸味に深みが出てきて、私の好きな味わいになってくれましたよ。


越乃寒梅の普通酒は、冷やでもぬる燗でも、しっかりしているもののキリッと引き締まった美味しいお酒でした。
淡麗で、食事の味わいを引き出してくれそうですが、それでいてお酒の味わいもしっかり感じるので、食事とともにお酒の味も楽しむことができると思います。
一方、アルコールの香りが少し気になるかもしれませんが(だからこそ精米歩合59%でも普通酒扱いなのでしょう)、それもまたキレのよさを作出するのに一役買っていることでしょう。


(※1)『にいがた地酒王国』p.68(1998.10 新潟日報事業社)
(※2)松崎晴雄『日本酒のテキスト 2 産地の特徴と造り手たち』p.67(2003.11 同友館)
(※3)山同敦子『愛と情熱の日本酒―魂をゆさぶる造り酒屋たち』p.319(2011.3 ちくま文庫)
(※4)dancyu 2014年3月号 p.116(稲泉連『「幻の酒」と呼ばれて半世紀 Do you know 越乃寒梅?』p.113-117中)(プレジデント社)
(※5)(※4)p.117
(※6)酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律86条の5、同法86条の6、同法施行令8条の3、同令8条の4
(※7)『にいがた日本酒手帖』p.31(2014.11 株式会社ニューズ・ライン)
(※8)月刊新潟WEEK! 2017年3月号 p.46(株式会社ニューズ・ライン)
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コメント 4

あとりえSAKANA

父がこのお酒を苦労して入手して、
仕事での得意先に差し上げたり、
自分への「ご褒美」にしていました。
多分私の日本酒の第一歩もこのお酒
だった気がします(^ω^)
by あとりえSAKANA (2017-07-24 00:54) 

skekhtehuacso

あとりえSAKANAさん、いまでこそブームは沈静化しつつありますが、その当時は入手が相当困難で、かつ高値が付いていたのではないでしょうか。
そのことには批判もあるようですが、少なくとも美味しいお酒を造れば売れるということを他の蔵元さんたちに知らしめたことは、越乃寒梅の功績ではないかと思います。
by skekhtehuacso (2017-07-24 21:55) 

エクスプロイダー

越乃寒梅は未だに呑んでませんね。いつか呑まねばと思ってはいますね。
それこそ正規の値段で売っているお店で。
by エクスプロイダー (2017-07-24 23:27) 

skekhtehuacso

エクスプロイダーさん、特約店で買えばぼったくられることはないと思います。
あたしゃ新潟市内にある特約店で買いました。
by skekhtehuacso (2017-07-25 22:53) 

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