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【お酒】571.蓬莱泉 別撰 ほうらいせん 180ml [23.愛知県の酒]

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関谷醸造株式会社
愛知県北設楽郡設楽町田口字町浦22番地

原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、焼酎(自社製)
精米歩合 60%
アルコール分 15度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




精米歩合が60%のお酒です。
精米歩合だけをみれば、特別本醸造のそれに該当します。
しかし、特別本醸造の表示はなされておりません。
それに、特別本醸造の基準は、精米歩合だけではありません。
ということで、この記事では、このお酒を普通酒とみなしたいと思います。


このお酒ですが、原材料名に“焼酎(自社製)”と表示されています。
1812.JPG

このような表示法について、蔵元さんが意図なさっていることが瓶に記載されていました。
1813.JPG

要するに、“醸造アルコールなんていう何を原料にして造られたかわからないものは使わずに、米だけで造った焼酎を醸造アルコールの代わりに添加しているのだ”ということをアピールなさりたいのでしょう。


はたして、このような表示は許容されるのでしょうか?
あくまでもこれは私の意見ですが、結論から言うと、普通酒であれば、このような表示方法も許容されるのではないかと思います。


酒税法上、清酒は以下のように定義されています。
清酒 次に掲げる酒類でアルコール分が二十二度未満のものをいう。
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えないものに限る。)
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの(※1)

このうち、上記“ロ”の“その他政令で定める物品”については、以下のように定められています。
(清酒の原料)
第二条  法第三条第七号 ロに規定する清酒の原料として政令で定める物品は、アルコール(法第三条第九号 の規定(アルコール分に関する規定を除く。)に該当する酒類(水以外の物品を加えたものを除く。)でアルコール分が三十六度以上四十五度以下のものを含む。以下同じ。)、しようちゆう(連続式蒸留しようちゆう又は単式蒸留しようちゆうをいい、水以外の物品を加えたものを除く。以下同じ。)、ぶどう糖その他財務省令で定める糖類、有機酸、アミノ酸塩又は清酒とする。 (※2)

要するに、酒税法上、清酒に焼酎(法令上は“しようちゆう”とひらがな表記)を添加することは認められているので、その旨を原材料名に表記することは可能かと思います。
(連続式か単式か、あるいは漢字でもよいのかという問題は残りますが。)


しかし、純米酒以外の特定名称酒(本醸造、吟醸酒、大吟醸酒)については、「白米、米こうじ、醸造アルコール及び水」だけしか原材料として使用することはできません(※3)。
それ故、特定名称酒に焼酎(これは醸造アルコールを含む広い概念か?)を添加することはできません。

また、これらの原料のうち、醸造アルコールについては「醸造アルコールとは、でんぷん質物又は含糖質物を原料として発酵させて蒸留したアルコールをいうものとする。」と定められています(※4)。
そして、国税庁の解釈通達では「原材料名の表示は、原則として法に規定する原材料名により表示するものであり」と定められています(※5)。
(解釈通達の法的拘束力については、ここではありと考えます。)

ということは、特定名称酒の場合には、醸造アルコールは必ず“醸造アルコール”と表示すべきであると思います。



大変申し訳ございません。
どうでもよいことをだらだらと書いてしまいました。
表示方法がどうであれ、お酒がおいしければそれでよいのです。
蔵元さんがお米由来原料にこだわったこのお酒がおいしいお酒であることを願いつつ、そろそろいただきたいと思います。
普通酒でしょうから、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほんの少し着いている程度でしょうか。
1814.JPG


うまみはかなり淡めです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じますが、かなり淡いですね。
それでいて、苦味というか、ほろ苦さを少し感じます。
でも、決していやな苦みではありません。

酸味はひかえめです。
すっぱさをほんの少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みは弱めですが、弱いなりに感じます。


全体的に淡い味わいの、淡麗薄口のお酒でした。
そんな中でも、ほろ苦さがやや際立っているように感じました。
なんとなく、焼酎甲類(連続式蒸留焼酎)に似ているかも。



(※1)酒税法3条7号イロハ
(※2)酒税法施行令2条
(※3)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1
(※4)同1(4)
(※5)酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準 2(3)イ(ロ)
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エクスプロイダー

「柱焼酎仕込み」と言うのが有りますが(澤乃泉も有る)、これは米焼酎や粕取り焼酎を醸造アルコールに使ってて、福島の「奥の松」の全米吟醸は純米酒や大吟醸を蒸留した酒を醸造アルコール代わりに使っていたりします。
by エクスプロイダー (2015-06-10 22:54) 

skekhtehuacso

エクスプロイダーさん、この記事では、“焼酎(自社製)”と表示することの当否を考えているのです。
私は、たとえ柱焼酎であっても、特定名称酒ならばそれを“醸造アルコール”と表示する必要があるのではないかと思うのです。

奥の松の件は、情報提供ありがとうございます。
by skekhtehuacso (2015-06-10 23:45) 

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