So-net無料ブログ作成
検索選択

【お酒】514.寒梅 普通酒 カップ [11.埼玉県の酒]

1557.JPG
寒梅酒造株式会社
埼玉県久喜市久喜中央2-9-27

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15度
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)



“寒梅”といえば、新潟の石本酒造さんが造る“越乃寒梅”が有名ですね。
越乃寒梅のことを、“カンバイ”なんて略して呼ぶこともあるくらいです。

では、今日いただくこの“寒梅”は、“越乃寒梅”のバッタ物なのでしょうか?
しかし、このお酒のラベルには、“寒梅”の名は登録商標である旨表示されています。
1558.JPG

確証はないのですが、調べてみたところ、どうやら元祖“寒梅”はむしろこちらのお酒らしいのです。


石本酒造さん(越乃寒梅)のWebsiteによれば、石本酒造さんの創業は明治40年(1907年)と紹介されています。
一方、寒梅酒造さん(寒梅)のWebsiteによれば、こちらは江戸時代の文政4年(1821年)と、80年以上も早く創業なさっています。

また、独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営する特許情報プラットフォームのサイトで、それぞれの商標を検索してみました。
その結果、石本酒造さんが“越乃寒梅”の商標登録を出願したのは1968年(登録は1970年)であったのに対して、寒梅酒造さんが“寒梅”の商標登録を出願したのは1911年(同年登録)だったのです。

これは私の推測ですが、“〇〇寒梅”というお酒は全国各地に存在しますが、それらはむしろ“越乃寒梅”にあやかってつけられた(部分が少なからずある)名称ではないでしょうか。
そういったことから推察するに、“〇〇寒梅”の元祖は、今日いただくこの“寒梅”ではないかと思うのです。


では、“〇〇寒梅”という名称は、寒梅酒造さんの“寒梅”の商標権を侵害しないのでしょうか?

この点について、かつて“三重の寒梅”をいただいた際に紹介した裁判例(原告は寒梅酒造さん、被告は九州の蔵元)では、以下のように述べていました。

日本酒について、取引者、需要者の間において、その産地と結び付けた表現が日常頻繁に用いられていることは公知の事実であり、当該地名は産地を表しているものと認識され、その地名に着目することから、地名の部分も自他商品の識別機能を果たしている
日本酒の名称に地名が含まれている場合に、その取引者・需要者は、通常、その地名が当該日本酒の産地名を表示しているものと認識し、かつ、その地名に着目するものと推認できるのであるから、その地名部分は、取引者・需要者の注意を惹く部分として要部となり得るものであり、かつ、他の部分(地名部分が要部となるからといって、他の部分が要部とならないものではないことはいうまでもない。)と相俟って自他商品識別機能を果たし得る」(※1)

要するに、“(地名)+寒梅”は、単なる“寒梅”とは別々のお酒だと認識できるからOK、と言うことだと思います。


しかし、別の判例では、“(地名)+寒梅”のように、“寒梅”の文字を特に大きく表示することは、“寒梅”の商標権を侵害する旨判示しています。

Y標章1は、『筑後の国』という文字を毛筆による行書体により縦書きし、その下に続けて『筑後の国』の各文字の4倍ほどの大きさの文字により、『寒梅』という文字を毛筆による行書体により縦書きしたものである。Y標章1のうち、『寒梅』という部分は、文字の大きさからして極めて目立つ部分であり、Y標章1に接した取引需要者は、『筑後の国』という部分は捨象して、『寒梅』という部分によって商品を識別することが多いものと認められるから、『寒梅』という部分がY標章1の要部であると解される。
そうすると、Y標章1は、その要部により、寒梅すなわち寒中に咲く梅という観念を生じ、『かんばい』という称呼を生じるものと認められる。」(※2)


申し訳ございません。
いささか調子に乗りすぎてしまい、どうでもいいことばかり書いてしまいました。
そろそろ酒が切れかけてきましたので、禁断症状が出ないうちにいただきたいと思います。
アル中かよ!
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
その前に、このお酒ですが、なかなかおいしそうな色をしています。
1559.JPG


うまみはやや濃いめで、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、香ばしさを少しだけ感じます。

酸味は少しはっきりしています。
すっぱさがあって、しかもさわやかな酸味です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはかなりはっきりしています。
糖添三増酒のような感じもしますが、そこまでベトついた感じはないと思います。


しっかりしたうまみとはっきりした甘みとを、さわやかな酸味がまとめる、やや濃醇で甘口のおいしいお酒でした。
酸味が甘みとよく合っていますし、それにうまみのクドさも和らげてくれているようです。
新潟の“越乃寒梅”とは異なり、しっかりした味わいですので、飲み応えがあると思います。


(※1)平成11(行ケ)240審決取消請求事件( 東京高等裁判所平成12年1月26日判決)(裁判所Websiteより)
(※2)平成7年(ワ)20095号商標権侵害差止等請求事件(東京地方裁判所平成10年7月24判決)(発明.96巻12号収録『判例評釈(99)「筑後の国寒梅」又は「筑後の寒梅」という標章が,清酒を指定商品とする「寒梅」という商標と類似しないとされた事例』p.112-114より)
nice!(36)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 36

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。