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【お酒】392.菊勇 相模大山 純米酒 カップ [14.神奈川県の酒]

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吉川醸造株式会社
神奈川県伊勢原市神戸681

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合65%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)

このお酒は、“菊勇”という名前です。
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そういえば、山形のお酒で同じ“菊勇”という名前のものをかつていただいたことがありました。
どうやら、山形の菊勇は“キクイサミ”であって、神奈川のこの菊勇は“キクユウ”なのだとか。


ところで、このお酒の蔵元さんである吉川醸造さんは、かなりこだわった酒造りをなさっているようです。
神奈川のお酒に関する文献では、吉川醸造さんのお酒を以下のように紹介しています。
この蔵の酒造りの特色は、何といっても「手づくり」への徹底的なこだわりにある。その端的な例が麹造り。もともと麹つくりは、酒造りの中でも手数のかかるものだが、中でも「麹蓋法」(原文ママ)はその最たるもの。したがって「麹蓋法」は、吟醸酒のような高級酒を醸すとき以外には使われることが少ない。ところが吉川醸造では、この蔵で造られるすべての酒に「麹蓋法」を用いている。」(※1)

麹蓋法(普通は“蓋麹法;ふたこうじほう”というので、以下蓋麹法と書きます。)は、「縦四十五センチ、幅三十センチくらいの木製の箱(麹蓋)に麹米を一升(一・五キログラム)ずつ盛り、蓋を積み重ねる」という麹作りの方法で、「麹菌の繁殖状態に応じて麹蓋を積み替えることで温度と水分の調整ができる」(※2)ことから、麹の状態を細かく管理することができるものの、最も手間がかかる方法であるようです。

今や自動製麹機が普及しているにもかかわらず、手造りの製麹、それも蓋麹法をすべてのお酒に用いているなんて、かなりのこだわりだと思います。


また、同じ文献では、続けて以下のように紹介しています。
酒本来のうまみを出すために、もろみの期間を長くとっています。速醸造りでも、平均して二十日くらいの日数をかけ、濃醇な味を出すように心がけています。
この蔵の酒はアルコール分が高く、コクのあるものが多い。「淡麗な酒ほど、水っぽくて飲めたものではない」という人や、昔ながらの日本酒らしい深い味わいを好む人にはうってつけの酒がそろっている。」(※3)

もしこの記述が本当であれば、これはかなり期待ができるお酒だと思います。
色をみるかぎりでは、とても濃厚そうな印象を受けます。
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。


一口いただくと、濃厚なうまみが口の中に広がります。
とても濃くて、しっかりしたうまみです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみです。
うまみは濃いだけではなくて深みを感じますが、これはお酒を熟成させてあるのでしょうか?
かといって、苦みや雑味はまったく感じません。

酸味はかなりしっかりしています。
すっぱさがはっきりしていて、さわやかな酸味です。
でも、刺激やピリピリ感はありません。

甘みはわずかに感じます。
お酒の味にコクを添えています。


濃厚で深みのあるうまみと、さわやかな酸味との、濃醇でやや辛口のおいしいお酒でした。
このくらい濃いと苦みや雑味、それにピリピリ感が出るものが多いと思うのですが、このお酒にはそれらはまったくありませんでした。
もしかして、このことこそが蓋麹法(蓋麹法)の成果なのでしょうか?
いずれにせよ、文献の記述どおり濃厚なのに、繊細なおいしいお酒でした。


(※1)山成健治『かながわの地酒』p.69-70(1998.10 神奈川新聞社かもめ文庫56)
(※2)酒蔵環境研究会編『挑戦する酒蔵-本物の日本酒を求めて』p.15(2007.11 農文協)
(※3)(※1)p.70-71
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コメント 7

ojioji

相模大山、本日、いただきました。
蔵元に電話して取り寄せてしまいました^^;。
(この記事がぼくの経穴だったのです)
skekhtehuacsoさまの記事に惹かれまして。
賀茂緑と飲み比べつつ、全く違う世界で、どちらも旨い^^;。
強いて言えば、ドリンクとして単独で飲むときは賀茂緑、下仁田葱の酒蒸しを肴にすると相模大山でしょうか。

ネットで相模大山の評をいくつか読みましたが、賛否両論ですね。味覚も感覚、十人十色。世評をどの程度参考にすればよいか悩ましいところです。
でもskekhtehuacsoさまのブログは参考にさせていただきます。日本酒への愛、というのはご本人が嫌われるでしょうから、日本でも限られる程の日本酒を味わった方の舌を信頼します。

今が午後二時前なのが罰当たりですm(__)m
一応、午前中は3時間、中学生のテスト勉強特訓をしておりました。
by ojioji (2014-11-29 13:53) 

skekhtehuacso

ojiojiさん、コメントありがとうございます。
私のブログを参考にしていただいてありがとうございます。
私が記事を書くときは酒が回った状態ですので、内容はあまり信頼できないかもしれません。
ですが、お酒を飲んでみたくなるきっかけにしていただければ、ありがたいことです。

お酒はみな、ネット上の評価が割れていると思います。
ですが、人の味覚には差異があるので、それはしかたがないと思います。
あくまでも、趣味ですから。
飲んでいて楽しくて、しかもおいしけりゃ、それでいいと思います。
by skekhtehuacso (2014-11-29 21:09) 

ojioji

再び^^;
1月2日のメインをこの相模大山にしました。
偶にいただくと旨い。濃醇辛口と言うのでしょうか、中毒になる味です。
自家製だと、アルコール発酵を完全にさせると辛口にはなるのですが旨味深味が物足りない。発酵を早めに止めると甘口で旨味たっぷりなのですが酒臭さ?が不満、となかなか難しいです。
ということは、個性的な酒を気分に応じていただくのがいちばんの贅沢でしょうか。
by ojioji (2015-01-02 19:27) 

skekhtehuacso

ojiojiさん、再度コメントありがとうございます。
どうやら私の記事が役に立ったようですね。
ご自身でも研究なさっているようですが、どうかお気をつけください。
たとえ悪法であっても、法は法ですから。
by skekhtehuacso (2015-01-04 23:53) 

ojioji

度々すみません。
すぐ上でアドバイスいただいておりましたのに、気づかないままわる乗りお詫び申し上げますm(__)m

相模大山純米酒、カップを禁断症状の時だけ飲んでいたのですが尽きたので、本日、蔵元に電話して一升瓶で注文してしまいました^^;
菊正宗の旨味とはまたちがった、甘味皆無の辛口の世界が相模大山には感じられます。
旨い酒と出会わせていただいたこと感謝します。
by ojioji (2015-02-06 16:53) 

uras

下戸なんですが、相模大山の山その姿が大好きで、桜木町駅から伊勢原まで歩いたり、平塚の河口から大山のてっぺんまで歩いたりこりゃ信仰ですね?で、私の住まいの町田のスーパーで、972円の純米750mlがあったので、親近感を覚えてもっぱら
料理に使っています。これ料理には抜群の相性です。伊勢原の鈴川辺りに菊勇の蔵元があって、神奈川県にも酒蔵があるんだなぁといろいろ親しみが湧いてきたところです。酒文化っていいですね。
by uras (2016-06-05 22:37) 

skekhtehuacso

urasさん、お飲みにならないのにこんな酒臭いブログにコメントをお寄せいただいてすみません。

私は神奈川県民ではありませんが、小学生の頃に大山(雨降山?)に登ったことがありましたよ。
たしか下社駅から追分駅までケーブルカーで上がって、そこから徒歩で山頂へ行きました。

このくらいしっかりした味わいのお酒であれば、きっとお料理に使ってもいい味を出すことができることでしょうね。
オイラも使ってみたいものですが、きっと使う前に全部飲んじまうことでしょう。
by skekhtehuacso (2016-06-05 22:58) 

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