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【お酒】139.特撰 黒松白鹿 黒松 純米 もち四段仕込 300ml [28.兵庫県の酒]

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辰馬本家酒造株式会社
兵庫県西宮市建石町2番10号

アルコール分14度以上15度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合 こうじ米65% 掛米70%
容量300ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)


とても長い名前のお酒です。
その名前の中に、“もち四段仕込”という言葉が使われています。
これは、いったいどういう意味なのでしょうか。

これについて、辰馬本家さんのWebsiteの商品紹介のページを見ると、「通常三段の仕込みに加えて、四段目に「もち米」を掛け、繊細でやわらかな旨みのある上質な味に仕上げました。」と書いてあります。

このような四段の仕込みについて、ある文献では「甘口の酒を造る場合に、三段に仕込んだもろみの末期にもう一度仕込む方法があり、これを「四段仕込み」という。」と紹介しています(※1)。

上記websiteによれば、このお酒の日本酒度は“-3”と紹介されています。
ということは、日本酒度だけを見れば、やや甘口のお酒であるといえます。

では、なぜ四段で仕込むと、甘口のお酒ができるのでしょうか?
この点については、この記事の最後にまとめておきましたので、ご覧いただければと思います。


では、そんな四段仕込のお酒を、今日もぬる燗でいただきます。

一口いただくと、甘みよりも先に、まず酸味?を感じます。
酸味というよりも、苦味といったほうが適切かもしれません。
この苦味が酸味由来のものなのかどうかはわかりませんが、ちょっと気になります。

甘みはたしかに豊かです。
それでいて、甘ったるいわけではなく、べとつく感じもありません。
やわらかい、上品な甘みです。
この甘みは、四段仕込で醸し出された、もち米由来のものでしょうか。
しかし、苦味に押されているようにも思います。

うまみはかなり淡いです。
酒臭くはなくて、吟醸酒のようなやわらかいうまみです。
むしろ、甘みがあるので、うまみはこのくらいのほうがくどくなくてよいのかもしれません。

ちょっと気になったのですが、かすかにではありますが、少し変わった香りがします。
吟醸香でもなく、酒臭い香りでもありません。
アルコール由来の香りでしょうか。
うまく表現できませんが、空気と一緒に口に含んで、お酒をのどへ送った後で、ケミカルな感じの香りを感じとれました。


やわらかい甘みと、それを苦味が引き締める、淡麗でやや甘口のお酒でした。
いわゆる酒臭さはまったくありません。
しかし、苦味があるので、スイスイと行けるお酒ではないと思います。




☆★四段仕込について☆★

日本のお酒は、
Ⅰ:お米のでんぷんを糖に変えるという化学変化と、
Ⅱ:糖をアルコールに変えるという化学変化
とを経て出来上がります。
このうち、Ⅰの変化を担うのが麹が出す糖化酵素で、Ⅱの変化を担うのが酵母という微生物です。

そして、日本のお酒は、もろみタンクの中で上記の化学変化を同時に進行させて発酵を進めていきます(これを“並行複発酵”といいます)。

このとき、もろみタンクの中へ、麹、酒母(酵母)、蒸米、そして水などの「大量の原料を一度に添加して仕込むと、酒母中の酸度と酵母数が急激に低くなってしまう。そのため、酵母の増殖が追いつかず、雑菌に汚染される危険性が高い。そこで、一度に原料を加えず、何度かに分けて添加し、適度な酵母の増殖を図りながら仕込んでいく方法がとられる。」そうです。
そして、「一般には三回に分けて仕込むため「三段仕込み」と呼ばれる。」とのこと(※2)。

三段仕込みは四日間かけて仕込まれ、その後「アルコールは一日一%くらいずつゆっくりと生成されるよう管理され、約二〇日でアルコール分が一八%くらいになる。」そうです(※3)。

このような状態になると、「アルコール度数が高くなった環境の中では、酵母菌が生きていくのが難しくなる。」そうです(※4)。

四段仕込みはこのアルコール度数が高くなった段階でさらにもう一段仕込みをするわけですが(もち四段の場合は、蒸したもち米だけを仕込むのだと思いますが)、そうすると、「醪に残った酵素によって糖化は進みますが、すでにアルコール度数が高いので酵母のはたらきが弱く、糖をアルコール化しきれないために、できあがった酒は甘くなります。」(※5)

すなわち、四段目の仕込をしても、上記Ⅰの変化は生じるが、酵母が弱っているのでⅡの変化が起きない(少しは生じるが完全ではない、と書いたほうが適切でしょうか?)ということだと思います。
その結果、作り出された糖分がアルコールに変化せずに蓄積されていくことから、お酒が甘くなるというしくみのようです。


(※1)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.137(2000.4 柴田書店)
(※2)同p.136
(※3)秋山裕一『日本酒』p.72(1994.4 岩波新書)
(※4)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ!』p.41(2007.1 新風舎)
(※5)副島顕子『酒米ハンドブック』p.13(2011.7 文一総合出版)
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コメント 4

ちゅんちゅんちゅん

こんにちは!
ボトルの外観から連想するお味じゃないんですね。
でも 一度試してみたいです。
地元の酒屋さんには ブルーの瓶ものはなかった気がします。
by ちゅんちゅんちゅん (2014-02-10 16:07) 

hanamura

あ!鎌倉の高崎屋本店には、白鹿ありませんでしたね。渋谷の吞兵衛横丁は、焼き鳥の名店「鳥福」さん!日本酒は「白鹿」一本です。白鹿は好きなのですがぁ・・・。青鹿と宮島の鹿にトラウマがあります。
by hanamura (2014-02-10 19:33) 

skekhtehuacso

ちゅんちゅんちゅんさん、コメントありがとうございます。
このお酒は、西宮の蔵元直営店「白鹿クラシックス」で入手しました。
by skekhtehuacso (2014-02-10 22:59) 

skekhtehuacso

hanamuraさん、コメントありがとうございます。
私は、どちらかというと、白鹿さんから分家した白鷹さんのほうが好きです。
by skekhtehuacso (2014-02-10 23:00) 

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