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【お酒】138.忠愛 手造り純米酒 五百万石 カップ [09.栃木県の酒]

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株式会社富川酒造店
栃木県矢板市大槻998

180ml詰
アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名/米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合60%
五百万石100%使用
(以上、ラベルより転記)


このお酒は五百万石という名前ですが、これはどういう意味なのでしょうか。

五百万石(ごひゃくまんごく)は、酒造好適米(お酒の原料米として栽培されているお米)の一種です。
このお酒は、お米はその五百万石だけを使用して製造されているようです。

五百万石は、「1938年に新潟県農業試験場において、「菊水」を母、「新200号」を父として人工交配され、以後、系統育成法により育成された」品種とのこと(※1)。
ところで、この母なる菊水というお米は、「雄町」の耐倒伏性を改良した品種」(※2)であるそうです。
ということは、山田錦と同じように、五百万石もまた、雄町の子孫であることになります。
雄町って、すごいですね。

五百万石はその後、戦争で栽培が中断されたものの、戦後「多収で酒造好適米としての優れた品質を持っていることが認められ、1957年から新潟県において栽培地を指定して奨励された」そうです(※3)。
そして、この年、新潟県産のお米の生産量が五百万石(9億リットル)を超えたことから、それを記念して“五百万石”と命名されたようです。

その後、五百万石は、40年以上にわたって酒造好適米のなかで作付面積第一位の座を占めてきたまれにみる長寿品種(※4)でした。
しかし、2001年には、山田錦が「それまで長く作付け面積トップを走ってきた五百万石を逆転し」(※5)、現在では第二位となっているようです。


五百万石で造ったお酒は、「淡麗できれいな酒質」(※6)になり、しかも「味の線は細く、すっきりとした酒に仕上がる傾向がある」(※7)とのこと。
新潟県で淡麗辛口のお酒が発展した要因はいくつかあると思いますが、もしかしたら五百万石のこの性質も、その一つなのかもしれませんね。

また、ある文献では、昭和五十年代に吟醸造りを復活させようとしたある蔵元さんのお話として「『五百万石』という酒米を五十パーセント以下に磨いて造ったんですが、うすっぺらな味でとても吟醸酒と言えるものではなかった」という話を紹介しています(※8)。
今とちがって、当時は吟醸造りについての情報が乏しく、また手法も発展段階にあったことでしょうから、五百万石が吟醸酒には向かないということは一概には言えないと思います。
しかし、このお話は、五百万石の性質を理解する上で貴重な情報であると思います。



そんな、五百万石を100%使用したこのお酒を、今日もぬる燗でいただきます。

一口いただくと、酸味を感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
すっきりした、さわやかな酸味です。

うまみはしっかりしています。
純米酒らしい、グッとくるうまみです。
口に含んだときは濃厚なうまみなのかなと思いますが、すぐにスーッっと引いていきます。
これが五百万石のうまみなのでしょうか。

甘みも少しだけ感じます。
お酒の味にコクを出しています。


スッキリした酸味と、しっかりしているがスッキリしたうまみとで仕上げられた、やや淡麗でやや辛口のお酒でした。
こういう純米酒もおいしいと思います。


(※1)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.23(2000.3 養賢堂)
(※2)副島顕子『酒米ハンドブック』p.20(2011.7 文一総合出版)
(※3)(※1)文献p.24
(※4)(※2)文献p.33
(※5)(※2)文献p.2
(※6)(※2)文献p.33
(※7)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ!』p.57(2007.1 新風舎)
(※8)石原信一『会津地酒紀行』p.18(2004.7 歴史春秋出版)
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コメント 8

toshi

豪快な名前の酒ですね。
コメント、ありがとうございました。
by toshi (2014-02-09 05:48) 

ちゅんちゅんちゅん

おはようございます!
雪の夜は
おこたで こんなお酒をいただいて過ごしたいですね。
お酒を堪能したあとは
横になって朝まで・・・(^^)
by ちゅんちゅんちゅん (2014-02-09 08:30) 

hanamura

忠愛も宇都宮では「酒々楽」に行かないと、なかなか飲めません。
吟醸造りは低温で菌を虐めるドS行為の酒です!爆!
by hanamura (2014-02-09 09:14) 

あとりえSAKANA

もうご覧になりましたか?
dancyu3月号は日本酒の
特集ですよ☆
by あとりえSAKANA (2014-02-09 16:40) 

skekhtehuacso

toshiさん、コメントありがとうございます。
雪見酒、趣がありました。
by skekhtehuacso (2014-02-09 21:54) 

skekhtehuacso

ちゅんちゅんちゅんさん、コメントありがとうございます。
私は今日仕事があって、雪中行軍でしたので、飲みすぎるわけにはいきませんでしたわ。
by skekhtehuacso (2014-02-09 21:55) 

skekhtehuacso

hanamuraさん、コメントありがとうございます。
このお酒は、宿郷のかましんで仕入れました。
by skekhtehuacso (2014-02-09 21:56) 

skekhtehuacso

あとりえSAKANAさん、dancyuは今日読みました。
今日は休日出勤で、雪の中を打ち合わせに出かけて行ったのですが、お客さんが2時間遅れでした。
(関東は大雪で交通機関が完全麻痺していたのです。)

お客さんを待っているあいだ、dancyuを買って、スタバで読んでいました。
このお酒の「次に紹介したお酒(白鹿)」がp.37に載っていましたね。
私としては、新政の記事が面白かったです。

dancyuは、3月号は、毎年日本酒特集のようですね。
by skekhtehuacso (2014-02-10 06:34) 

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