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【お酒】1187.津和野盛 上撰 カップ [32.島根県の酒]

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合資会社石州酒造
島根県鹿足郡津和野町後田口218

アルコール分 15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
180ml詰
(以上、カップの印刷事項より転記)




カップに印刷されているこの絵は、おそらく津和野の伝統舞踊である“鷺舞”でしょう。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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燗をつけると、酒臭い(←ほめ言葉です)香りが少し立ってまいりました。
また、アルコールの香りもすこしはっきりしているようです。

うまみは、どちらかというとちょっと濃いめといった感じです。
醸し出された酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)を感じます。
また、香ばしさも少し感じます。
一方で、苦みや雑味はなく、キレはよいみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
ですが、酸味自体に深みを少しあるみたいです。
また、アルコール由来と思われるさわやかさも少しはっきりしています。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとしているものの、幅を感じます。
ですが穏やかで、前に出てこない感じがいたします。


しっかりしているものの、さわやかでキレのよい、ちょい濃醇で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
アルコール香やさわやかさがはっきりしていることから、アル添量が多めではないかと推察いたします。
ですが、アル添多めのお酒にありがちな雑味やうすっぺらさがないことから、ごまかしのためのアル添ではけっしてないと感じました。
むしろ軽快さが出ていて、飲みやすくなっているのではないかと思いました。
純米至上主義(=アル添排斥主義)を信奉なさっている諸兄には論外の味わいかもしれませんが、私はこういう味わいのお酒、好きですね。

【お酒】1186.山頭火 特別本醸造 カップ [35.山口県の酒]

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金光酒造株式会社
山口市嘉川5031番地
(カップの印刷事項より転記)

原材料:米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
(裏に貼られたラベルより転記)

アルコール分15.0度以上16.0度未満
精米歩合60%
180ml詰
(フタより転記)




山口市に蔵を置く蔵元さんが造ったお酒です。
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山頭火という酒銘は、おそらく種田山頭火に由来するものでしょう。
カップには、種田山頭火のものと思われる日記が紹介されておりました。
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あれ?
そういえば、種田山頭火って、同じ山口県でも山口市ではなくて、たしか防府の出身ですよね。
あたしゃ防府で酒集めをした際に(成果はゼロでしたが。)、山頭火の生家跡を訪問しましたよ。
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ボランティアガイドの方のお話では、山頭火はこの建物に住んでいたのだとか。
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一方、蔵元さんのWebsiteによれば、金光酒造さんは山口市のほかに防府市にかつて工場を持っていらしたようで、そのことが「山頭火は、明治39年(25才)から大正5年まで11年間、 種田正一(本名)の名義で酒造業を営んだことがあります。これが、現在の当社の防府工場跡となっています。」という一文とともに紹介されておりました。


金光酒造さんと種田山頭火とがつながったところで、そろそろいただいてみたいと思います。
特別本醸造ですが、おそらく香りはないものと(勝手に)推察し、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、濃くはないものの、金色をしておりました。
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やはり香りはないですね。
むしろ、アルコールの香りがすこしはっきりしているようです。

うまみは濃くはないみたいです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをほんのりと感じます。
また、香ばしさとともに、軽い苦みもかすかにあるみたいです。
キレはよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
また、アルコール由来と思われるさわやかさが少しはっきりしています。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとしていてそれほど目立たないものの、幅を感じます。


味のバランスがよい、旨口のおいしいお酒でした。
うまみや酸味、苦み、それに甘みがそれぞれ突出することなく穏やかに効いていて、しかもキレがよく感じました。
たしかにこれは特別本醸造、すなわち「香味及び色沢が特に良好」(※1)な本醸造だと思います。

(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)2(3)

【お酒】1185.磐梯山 特別純米酒 300ml [07.福島県の酒]

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磐梯酒造株式会社
福島県耶麻郡磐梯町大字磐梯字金上壇2568

アルコール分 16度
精米歩合 60%
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




磐梯酒造さんについて、手元にあった文献では以下のように紹介されておりました。

 麗峰「磐梯山」の銘柄の日本酒は、耶麻郡磐梯町大字磐梯の酒蔵で造られている。  その名も磐梯酒造だ。
 創業の明治二十三年以来、磐梯山の表裾野のこの町で造り酒屋を営んできた。
 明治のはじめに「玉の屋」という旅館から分家して初代の桑原啓次さんが酒造業を起こした。
 だから最近まで近所の年配者からは「玉の屋」のお酒と呼ばれていたらしい。」(※1)




このお酒は、特別純米酒です。
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これまでの経験からして、特別純米酒の中には香りを特徴としていて燗には向かないお酒が少なからずありました。
一方、蔵元さんのWebsiteでは、この特別純米酒について「冷やしていただいても結構ですが、常温、又はぬるめのお燗でお召し上がりいただくと、酒の旨味が引き立ちます。」と紹介されておりました。


そこで、まずは冷や(常温)でいただいてみたいと思います。

お酒の色は、ほとんど目立たない程度でした。
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グラスに注ぐと、酒臭い(←ほめ言葉です)香りがフワッと漂ってまいりましたよ。

うまみは濃くはないものの、かなりしっかりしています。
これは醸し出された酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみそのものです。
また苦みが弱めではあるもの、角を感じる苦みです。
香ばしさも少しだけあるみたいです。
それでいてキレがよく、スッと引いていきます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが強くはないものの、鋭さを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
ちょっとだけあるみたいですが、さらっとしています。


ちょい苦ちょいすっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
酒臭くて(←くどいようですが、ほめ言葉です)、苦みや酸味がちょっとはっきりしていることから、飲み応えを感じます。
それでいてキレがよく、後味はすっきりしています。
飲みやすさはないものの、私はこういう味わいのお酒は好きです。



ここで、燗にしてみましたよ。
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おお、
こりゃいいね!

燗にすると、酸味がかなりはっきりしてきました。
鋭さも少し増しましたが、同時に酸味自体に深みを感じるようになりましたよ。
その一方で、苦みが後退して、まろやかさが出てまいりました。
キレのよさは、燗でも維持されておりました。

これはあくまでも私の好みに基づく評価ですが、このお酒は冷や(常温)よりも、ズバリ燗のほうがおいしいでしょう!
この酸味の深み、あたしゃ好きだな。

(※1)石原信一『会津地酒紀行』p.284(2004.7 歴史春秋出版)

【お酒】1184.喜多屋 特醸 美酒四段仕込 300ml [40.福岡県の酒]

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株式会社喜多屋
福岡県八女市本町374番地

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 15度以上16度未満
300ml
(以上、ラベルより転記)




八女の喜多屋さんのお酒は、かつて寒山水 純米吟醸 55%磨き カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、四段仕込の普通酒です。
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四段仕込が甘口のお酒を造るための技法であることは、かつてこちらで紹介しております。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
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うまみは淡めです。
やわらかうまみをほんのりと感じる程度です。
また、吟醸酒のような苦みを少し感じます。
キレはよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
それに、ちょっとピリッと感じます。

甘みはややはっきりしています。
けっしてべとつかない、かなりさらっとした甘みを少し感じます。


淡麗ちょい苦ちょいピリやや甘口のおいしいお酒でした。
甘みはたしかにありましたが、べとついた感じがまったくなく、それにかなり穏やかでした。
苦みやピリピリ感が少しありましたが、甘みがそれらを和らげて、かつ淡めな味わいにコクを添えているようでした。
むしろ、苦みやピリピリ感があることで、肉の脂分をサッと流してくれました。


なお、この記事を書きながら、残っていたお酒を冷や(常温)でいただいてみました。
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冷やのほうが、燗よりも甘みが後退してすっきりしており、その一方ですっぱさが前に出てくるようでした。
私としては、このお酒は燗のほうがコクがあっておいしいのではないかと感じた次第でした。

【お酒】1183.花の露 純米カップ [40.福岡県の酒]

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株式会社花の露
福岡県久留米市城島町城島223-1

アルコール分13度以上14度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合 60%
180ml
(以上、ラベルより転記)




先週末に筑後国で酒集めをした際に入手した、お目当てとしていた城島酒のうちの一つです。
他地域で入手した在庫もあるのですが、これが一番古かったことから、さっそくいただくことにいたしました。


酒銘のみならず、社名も“花の露”でした。
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しかし、どうやらかつては“冨安本家酒造”という商号だったようです。
このことと、酒銘=今の社名の由来とについて、文献では以下のように紹介されておりました。

 喜多流の謡曲「枕慈童」に「―菊の葉にますや妙なる御法の花の露 苔の零積りて年を経る淵とも成るや―」。ここでいう「花の露」は、千年も万年も命長らえる高貴薬のようなものという意味。
 また、中国では古くから酒の雅語として「花露」という言葉を使っている。「恐らく、こういうところから名を取ったんでしょう」と当主・冨安靖雄は語っている。
 「恐らく」というのは、冨安家の三代、栄重が酒造りをを始めたのが延享二年(一七四五年)。なにしろ古い話なので、命名の由来を書き伝えたものがないからだ。
 もともと屋号を泉屋といって、いくつかの銘柄を持っていたが「花の露」が、代表的になったので、大正年間には「花の露」商店と改称、昭和のはじめにいまの冨安本家酒造とした。」(※1)


このお酒は純米酒ですが、アルコール度数が13-14度とやや低めに設定されておりました。
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もしかしてこれは、多めの加水で味を整えているのでしょうか?
それとも、発酵が終了する時点での醪のアルコール度数をもともと低めに設定してあるのでしょうか?

そんなことを想像しつつ、みやびな名前が付けられたこのお酒をいただきます。
純米酒ですので今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがしっかりしています。
軽い苦みも少しあるみたいですが、嫌な感じはありません。
キレはそこそこよいみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さをちょっと感じます。
かすかにピリッと感じますが、気にはならない程度です。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じない程度で、ややドライな口当たりになっています。


しっかりしたうまみに酸味が効いていてややドライな、やや濃醇でちょいすっぱ辛口のおいしいお酒でした。
けっこうしっかりしているものの、味わいに角がなく、しかもキレもよいみたいでした。
むしろ酸味のきき具合がちょうどよく、食事と合わせやすくなっていると思いました。

これは造りの成果でしょうか?、それとも加水の効果でしょうか?
いずれにせよ、これ以上濃いと、きっと味わいに角が出るのではないかと感じました。

(※1)『「酒」<九州の灘・城島>』p.105(1967.11 毎日新聞社)

【お酒】1182.子王山 二千階段 本醸造 カップ [10.群馬県の酒]

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松屋酒造株式会社
群馬県藤岡市藤岡乙180

原材料名/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分/15度
精米歩合/65%
内容量/180ml
(以上、ラベルより転記)




松屋酒造さんのお酒は、おととい南毛三十三観音 観音の夕べ 本醸造 カップをいただいております。
今日いただくこのお酒も、同じく本醸造のカップ酒です。

品質表示から判断するに、中身も同じお酒なのかもしれません。
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子王山(こおうやま)というのは、どうやら藤岡市内にある山のことのようですね。



そしてその山の頂上まで、二千段の階段が伸びているのだとか。
これがその二千階段でしょうか。
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ラベルには、子王山についての解説が印刷されておりました。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、濃くはないものの、きれいな金色をしておりました。
これは南毛三十三観音 観音の夕べ 本醸造 カップと同じ色ですね。
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ああ。
この味には、たしかに覚えがありますよ。

やや濃いめのうまみに、苦みや雑味がなくて、しかもキレがよい。
酸味は弱めであるものの、ちょっと鋭さがあります。
甘みはかすかで、前に出てきません。


やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
これはおそらく、南毛三十三観音 観音の夕べ 本醸造 カップと同じ中身でしょう。
ちょっとだけ淡めかもしれませんが、味は同じでした。

【お酒】1181.繁桝(しげます) カップ [40.福岡県の酒]

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株式会社高橋商店
福岡県八女市本町2-22-1

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類
180ml
(以上、フタより転記)




先週末に、福岡県で酒集めをいたしました。
今日は、その際に入手したお酒をさっそくいただいてみようと思います。
というのも、手元にある在庫の中で、これが一番古いお酒なものですから。


“繁桝”って、派手さはないものの、そこそこ有名なお酒ですよね。
雑誌などではあまり紹介されていないみたいですが、銘酒をとり揃えた居酒屋なんかではよく見かけます。
ですがそれも、吟醸クラスのお酒が主であるみたいです。

今日いただくこの繁桝は普通酒のカップ酒ですが、まことに残念ながら、糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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吟醸クラスが有名なお酒でも、地元では三増酒を販売しているのですね。
そういえば、石鎚もそうでしたよ。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんど目立たない程度でした。
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うまみは淡めです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをかすかに感じますが、薄いですね。
その一方で、苦みが少し目立つみたいです。

酸味はややはっきりしています。
強くはないものの、鋭さを少し感じます。
それとともに、アルコール由来と思われるさわやかさも少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしています。
とろみのような舌触りが少し合って、ちょっとべとつくみたいです。


淡麗ちょい苦ちょいすっぱ甘口のお酒でした。
うまみが淡めというか薄めであるが故に、苦みや酸味、それに甘みが目立つみたいでした。
ごめんなさい、全部飲みきれませんでした。
これはあくまでも私の好みの問題ですが、おいしくないとまで、オレは言う!(ビッグ・ダディより)

【お酒】1180.南毛三十三観音 観音の夕べ 本醸造 カップ [10.群馬県の酒]

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松屋酒造株式会社
群馬県藤岡市藤岡乙180

精米歩合65%以下
アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米・米こうじ・醸造アルコール
容量 180ml詰
日本酒度 ±0~+1
酸度 1.5
アミノ酸 0.9
(以上、ラベルより転記)
(米の産地表示なし)




群馬県藤岡市の松屋酒造さんは、“當選(とうせん)”というお酒を造っていらっしゃるようですね。
蔵元さんのWebsiteによれば「昭和10年、政治好きの先代社長が『政治の世界は家業をつぶす』と、政治への未練を断ち切るために銘柄に思いを込め『當選』と名づけました。」とのことでした。

なんかかえって未練を残しそうな気がするのは、私だけでしょうか?


話のネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
“南毛”の意味とか、三十三観音のことは調べていないのかよ!
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、濃くはないものの、きれいな金色をしておりました。
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うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じます。
香ばしさもちょっとあるみたいです。
しかし、苦みや雑味はありません。
またキレがよく、スッと引いていきます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさはちょっと鋭さがあるものの、弱めです。
また、アルコール由来と思われるさわやかさも少しだけ感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
少しだけ感じるものの、表に出てこないみたいです。


酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみがしっかりしていて酸味に鋭さを感じるものの、キレがよくて軽さのある、やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
アル添がいい具合に軽さを出してくれているように感じました。
これは私の予想ですが、もしこれがアル添なしの純米酒だったら、きっと重い味わいになっていたのではないでしょうか?
本醸造のよさ、アル添の利点がわかるお酒だと思いました。

筑後国での酒集め [旅]

九州屈指の銘醸地である“城島(じょうじま)”
文献では、以下のように紹介されておりました。

 「城島」は、九州の酒造界において、明治初頭から急速に成長して、特異な酒造団地を形成してきた。
 福岡県三潴郡城島町を核とし、大川市・三潴町など町村合併前の旧三潴郡下の酒造業者は、かつて其の酒造所を「筑後城島郷」と表記し、現在も「城島酒」として市場に送り出している。
 この「城島」は北は筑後川を挟んで佐賀県に対し、南は九州山脈の北端迄広がる筑後平野がひらけ、東は久留米市に隣接し、西は大川市を経て有明海に連なるという、所謂、筑紫平野の中心に位置している。
(實藤久光他4名『城島の酒造り』p.354(日本釀造協會雜誌82巻5号p.354-359 1987.5))



今日でも、城島には蔵元が9軒あるのだとか。
今回は、その城島を含んでいる福岡県の筑後地方(旧筑後国域)で酒集めをしてみました。

といっても、上記の地図をご覧いただくとわかるとおり、城島には鉄道が通っておりません。
それ故、車に乗らないワタクシにとっては、城島へ直接に向かうことはいささか骨の折れることとなってしまいます。
そこで今回は、城島からちょっと離れたところを走っている西日本鉄道(西鉄)の天神大牟田線を使って、酒集めをして見ました。



★☆一日目(5/13(土))★☆

まずは成田空港から。
6:00発のJetstar福岡行に乗りましたよ。
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飛行機がお好きな皆さんのブログを拝読させていただくと、窓から見える地上の景色を写真で紹介なさっていらっしゃることが少なからずありますね。
たとえば、富士山がとてもきれいに見えたりとか。

でもね、あたしゃこのブログをはじめてから飛行機に3回乗りましたが、きれいな景色なんか一度も見たことがありませんよ。
毎回毎回見えるのは、冷蔵庫の裏を久しぶりに掃除したときに出でくるホコリみたいな雲ばっかり!
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それでも着陸の直前に、海ノ中道と志賀島とが見えましたよ。
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福岡空港には、定刻どおり到着いたしました。
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福岡空港からは、福岡市営地下鉄空港線の快速西唐津行に乗車。
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5駅乗って天神駅で下車し、やってきたのは西鉄福岡(天神)駅。
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西鉄福岡(天神)駅からは、天神大牟田線の特急大牟田行に乗車。
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私としては意外だったのですが、天神大牟田線は久留米までは複線でしたが、久留米から先の区間には単線の箇所がところどころにあったのですね。
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このことについて手元にあった文献をあたってみたところ、以下のような記述を見つけました。
要するに、久留米以南の開業免許は元々別会社が保有していて、それが単線での免許だったことから、その会社を合併させても単線のまま建設せざるを得なかったということでしょうか?

 現在の西鉄大牟田線は、九州鉄道が経営していた路線を受け継いできたものである。その九州鉄道が、福岡-久留米間三八・八キロメートルを複線で、しかも一五〇〇ボルトの電気軌道として開業したのは、大正一三(一九二四)年四月一二日のことであった。しかし、久留米以南の路線の開業は複雑で、ずっと後のことになる。久留米から大牟田への延伸には、路線免許をもっていたり、すでに部分的に開業したりしている他社との合併が必要であったからである。
(佐藤博之・浅香勝輔『民営鉄道の歴史がある景観Ⅱ』p.48-50(1988.7 古今書院))

 こうした大川鉄道の経緯とは別に、九州鉄道としては、昭和七(一九三二)年一二月二八日に久留米-津福間を開業させ、南進策を一段と前身させている。そうした経営の行き着く先として、さきに柳河(現・柳川)-大牟田間の工事に着手していた大川鉄道の合併に踏み切った。昭和一二(一九三七)年六月二二日のことで、同年一〇年(原文ママ;一〇月の誤りか?)一日には、九州鉄道は津福-柳河(現・柳川)間を開通させ、すでに大川鉄道が着工していた柳河(現・柳川)-大牟田間に接続させることに成功した。
(同p.53-54)


いかんいかん。
このブログは酒ブログです。
話が酒からそれてしまいました。

西鉄福岡(天神)駅から6駅、50分弱乗って、着いたのは西鉄柳川駅。
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ここ柳川を端緒として、ここまで特急で乗ってきた西鉄天神大牟田線の沿線を、徒歩と普通電車とで少しずつ戻りながら酒集めをいたしました。

まずは西鉄柳川駅の東側にあるスーパーを攻めるべく、川沿いに歩いて行きます。
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そこでの成果はこちら。
八女の喜多屋2種をGet!
でもこれらは、今回の旅でもっとも頻繁に出会ったお酒でした。
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駅の西側へ回ってまいりました。
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鷹正宗トップテンは都内でもときどき見かける激安三増酒(なんと税込108円)ですが、入手してしまいました。
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柳川の街中には、水路がたくさんありましたよ。
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船に乗って川下りなんかもできちゃったりなんかしちゃったりして。
でも、船の上から聞こえてきたのは、日本海をはさんだ向こう側にある国の言葉ばかりでした。
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船着場まで歩いてまいりました。
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その船着場の近くにあったみやげ物店の軒先で、かわいいにゃんこを発見!
前足で顔を隠して寝てんの。
しかも警戒心ゼロで、近寄っても起きませんでした。
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船着場の近くにあった酒屋さんで、これらをGet!
繁桝お燗瓶(左)は普通酒(糖添なし)。
若波(中)は、城島の隣の大川に蔵を置く蔵元さんのお酒。
比翼鶴(右)の純米吟醸カップは、正真正銘の城島酒でした。
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これも城島酒。
有薫の原酒(普通酒)は、オンザロックで飲めとのことでした。
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柳川の街を2時間半ほど散策したのち、西鉄柳川駅から甘木行の普通電車に乗車。
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3駅乗って、八丁牟田(はっちょうむた)駅で下車。
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あれ?
九州って、お米がもうこんなに育ってんの?
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と思ったのですが、米ではなくて、どうやら小麦のようでした。
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“道の駅おおき”へやってまいりました。
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ここでは城島酒の普通酒カップを2種類Get!
比翼鶴(左)と旭菊(右)。
旭菊のほうは、糖添でした。
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道の駅とイオン(成果なし)とに立ち寄ったのち、西鉄天神大牟田線沿いに歩いて、次の駅を目指しました。
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ですが、ここで道に迷ってしまいました。
線路沿いの道が途切れてしまったのです。
地図を見ても駅へ向かう広い通りが見当たらず、しかもとても細い道が網の目のように掲載されていて、どれが実際にどの道に該当するのか判断できないほどだったのです。



そんなとき、水路で釣りをしていた中学生(たぶん)の男子に出会って道を尋ねてみたところ、なんと次の駅まで連れていってくれましたよ。
彼は自転車に乗って私を先導してくれたのですが、「ここって人ん家の中なんじゃないの?」って思うような細い道を巧みに選択して、最短で次の駅まで案内してくれたのでした。

私は、この趣味は自分で判断して自分で行動する“孤独な戦い”だと勝手に思っていたのですが、そんな中で人の親切に触れることができました。
中学生(たぶん)の男子よ、ありがどう!


そのようにして、八丁牟田駅から大溝駅までなんとか歩いてまいりました。
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大溝駅からは、再び甘木行の普通電車に乗車。
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3駅乗って、着いたのは大善寺駅。
駅舎を撮影することを失念してしまいましたことをお詫び申し上げます。
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大善寺駅から少し歩いたところで、古墳を発見しました。
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はい、これが古墳。
ていうか、森だなこりゃ。
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これが周濠の跡なのだとか。
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空から見ると、形がよくわかるみたいです。
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大善寺駅から2時間かけて、2つ先の津福駅に辿り着きました。
しかし、この間の成果はゼロ。
こればかりは歩いてみなければわからないことですので、しかたがありません。
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津福駅からは、西鉄福岡(天神)行の普通電車に乗車。
来たのは5000形でしたよ!
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あたしゃ子どもの頃の愛読書がコロタン文庫の『私鉄全(オール)百科』だったのですが、その本でこの西鉄5000形の写真をはじめて見たときに、左右非対称で配置されている正面窓形状の斬新さに衝撃を受けましたよ。

津福駅から2駅乗って、花畑駅で下車。
西鉄久留米駅の一つ手前で降りて、天神大牟田線の東側にある久留米市内のスーパーを攻めてやろうという算段でした。
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花畑駅というだけあって、駅の近くでは花が咲いておりましたよ。
っていうか、このアツミゲシ(パパヴェル・セティゲルム・ディーシー)って、咲かせちゃダメな花やないか~い!(あへん法3条1号、同4条)
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あやしい花を見つけることはできましたが、残念ながら肝腎の城島酒はここでも皆無。
ですが、大善寺-津福間に引きつづきここでも成果ゼロってのは癪だったので、こんなものを買ってしまいました。
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白岳は清酒ではなく、熊本の球磨焼酎です。
関東地方ではなかなかお目にかかれない200mlペットカップを見つけて、ついつい手を出してしまいました。
このブログではこれまで焼酎を対象としておりませんでしたが、これを機に少しずつ手を出してみようと思います。

これは白鶴の純米酒。
言わずと知れた灘の酒ですが、初見だったことから購入してしまいました。
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最後に立ち寄った酒屋さんでは、繁桝のカップ酒を見つけました。
ですがこのカップ酒、なんと糖添三増酒でした。
石鎚もそうでしたが、繁桝よ、お前もか!
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こうして、西鉄久留米駅に到着し、今日の酒集めを終えたのでした。
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酒集めを終えたら、そりゃ街に繰り出して飲むしかありません罠。
この日は、“文化街 さくら屋”さんにお世話になりました。
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まずはとりビー。
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お通しは、ワラビでした。
これがまたシャキシャキでおいしいこと!
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とりビーをすぐに空けて、酒だ酒だ!
若波の純米酒を選びました。
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うまみがしっかりしていて飲み応えのあるおいしいお酒でした。

おでんも味がしみていてまいうー!
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二杯目は、比翼鶴の純米酒。
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これは酸味が効いていて、食事と合うおいしいお酒でした。

酒盗やワラスボの干物と、これがまたよく合うこと。
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にごり酒があるとのことで、月の桂を選びました。
伏見の酒かと思ったのですが、福岡県小郡市の蔵元さんが造ったお酒でした。
ですがこのにごり酒、誠に残念ながら糖添三増酒でした。
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最後に、大刀洗町の三井の寿で〆て、お店を後にしたのでした。
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日本酒専門店だけあって店員さんが福岡のお酒事情に詳しく、いろいろと教えていただきました。
文化街さくら屋さん、堪能させていただきました。


行きに来た道を戻ろうとしたところ、とんこつスープの香りが漂ってまいりました。
ふと見ると、大通りの歩道上にラーメンの屋台がいくつか出ているじゃありませんか。
きっとこれも、久留米の名物なのでしょうね。
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ラーメンは明日の昼にいただくと決めておりましたので、この日は敬遠させていただきました。



★☆二日目(5/14(日))★☆

この日は、西鉄久留米駅の西側一帯にあるスーパーを歩いて潰していきます。
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柳川ほどではありませんでしたが、久留米の市街地にも水路がいくつかありましたよ。
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久留米での成果はこちら。
萬年亀(左)は城島のお酒。
喜多屋(右)はちょっと古かったのですが(←あくまでも当方独自の基準に基づく評価です)、四段仕込の表示に心惹かれて買ってしまいました。
なお、左端に写っている物体の存在は無視して下さい。
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宇美の萬代(バンダイ)は、カップ酒をみつけました。
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久留米の街を2時間半ほど徘徊したのち、JR久留米駅へやってまいりました。
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その駅売店で、三個目の比翼鶴(左)と花の露(右)とをGet!
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11時を回って腹が減ってきたので、駅に併設されていたラーメン店で、久留米のとんこつラーメンをいただくことにいたしました。
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スープがものすごく濃厚!
豚のうまみがしっかりしています。
紅しょうがはテーブルにあったものを好みで乗せたのですが、その風味が豚の脂分の強さを緩和してくれているようでした。

麺は細麺で、しかも芯をちょっと残す程度にゆでてあるのがまたいい感じでしたよ。
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普段はラーメンとは縁遠いワタクシでございますが、久留米のとんこつラーメンはたまに食べることで元気をもらえそうな感じがいたしました。


JR久留米駅からは、九州新幹線つばめに乗車。
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久留米から2駅分、20分弱乗って、着いたのは博多駅。
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博多駅では、昨日乗った福岡市営地下鉄空港線に乗りかえ。
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2駅乗って、中洲川端駅で下車。
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ここ中洲から博多駅方面へ歩いて、お酒を探してみました。
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川上音二郎の銅像の脇から、商店街へと入っていきます。
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誠に残念ながら、ここでの成果はゼロでした。
完全に当てが外れてしまいました。


失意のうちに博多駅へと戻ってきて、今回の旅の〆の儀式をなすべく、お目当てのお店へと向かいます。
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選んだのは、住吉酒販さん。
地酒を売る店の奥に、立ち飲みスペースがあるのです。
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まずは、城島酒をいただきます。
独楽蔵純米吟醸の熟成もの。
確かにしっかりしていますが、そこは吟醸造り。
切れよく、しかも後味はすっきりしておりました。
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おつまみには、新さつま節を選択。
切ってもらっているときからかつお節のいい香りが漂ってくる、風味豊かな一品でした。
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二杯目は、燗酒を所望。
長崎の六十餘洲を勧めていただきました。
これは酸味が豊かで、飲み応えがありました。
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住吉酒販さんはお酒の種類が豊富で、つまみもおいしくて安いので、よいお店だと思います。
それに、禁煙であるところもうれしい限りです。

ただね、この住吉酒販さん、店員さんが若い女性ばかりでした。
これはあくまでも私の感想ですが、どうもその店員さんを目当てとしているスケベなオッサンたち常連さんたちがやってきて大声で会話するのでご自身の存在をアピールなさるので、一見客の私としては落ち着いて飲むことが難しく感じました。


このあと、改札内の売店で佐賀の天山と大分の西の関とを入手して、
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常磐線の特急ひたちに乗って、
じゃなくて、東海道・山陽新幹線のぞみに乗って帰ったとさ。
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以上、カップ酒9個、一合瓶2本、300ml瓶7本と、焼酎200mlカップ1個の旅でした。
カップ酒の成果が少なかった分、300ml瓶で補ったような状況でした。
それに買わなくてもいい酒を買ってしまったりと、内容についてはイマイチといったほうがよいかもしれません。

でも私は、なぜか不思議なことに、いつもの旅では味わったことがないくらいの充実感を、今回の旅を終えて感じたのでした。

【お酒】1179.稲川 イナガワカップ [07.福島県の酒]

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合資会社稲川酒造店
福島県耶麻郡猪苗代町字新町4916

アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




稲川酒造さんのお酒は、かつて稲川 辛口地酒蔵 本醸造仕込 生貯蔵酒 300mlをいただいております。
今日いただくこのお酒は、普通酒のカップ酒です。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
醸し出された酒臭いうまみ(←ほめ言葉です)とともに、熟成感を少し感じます。
かすかに苦みがあるみたいですが、ほとんど気にはなりません。
キレはよく、スッと引いて、透明感を少し感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは鋭さを感じるものの弱めで、さわやかさもちょっとあるみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
ですが、べとついた感じはありません。


ちょいすっぱやや甘口のお酒でした。
うまみがしっかりしていて熟成感もありますが、キレよく仕上がっています。
それに、酸味もほどよく効いています。
ただ、これはあくまでも私の感想ですが、ちょっと甘めなところに、しっかりした味わいであるが故の重さを感じました。
キレのよさと透明感とは、多めのアル添で重さを和らげようとした結果でしょうか?
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